50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2020-12-18 資料を読む

資料の読み方にもいろいろあるというお話です。


英語のプレゼンテーションを和訳する業務がいくつかありました。改まった席のものから組織内の発表のようなものまでいろいろと。資料をよく読む必要があると判断しました。まず実際に通訳するつもりでサイトトランスレーションをしてみました。黙読するより当然時間は長くかかります。そして内容の理解は黙読に比べて少し浅くなる気がしました。限られた集中力を翻訳作業に費やされるだけ読み取りが浅くなるのかもしれません。

途中で方針を変更し、発表者の立場・姿勢に寄り添うつもりで読むことにしました。このほうが内容の理解がすばやいようです。訳すという知的努力を省くからだろうと思います。

資料を読んで内容を、あるいは話の筋を理解していれば、話者の発言が耳から入ってきたときに適切な日本語表現をすばやく引き寄せれられるのですね。訳してみるだけの準備時間がない場合にはとにかく目を通すことを優先すべきだと改めて思いました。


ネパールの国民食ダルバート」。ダルはひきわり豆のスープ、バートは米飯のことです。今回はダル、バートの他にマトンのスープカレー、ハヤトウリとじゃがいものおかず、豆のおかず、青菜、岩塩とスパイスであえた叩きトマトが付きました。これに飲み物を加えて税共700円とは驚きです。ダル、バート、スープカレーのスープ部分はおかわりができます。

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2020-12-08 出かけると少しほっとする

久しぶりに宿泊を伴う遠隔地の仕事がありました。交通費の精算もなんだか懐かしい作業です。ありがたいことに移動中は雨に降られませんでした。


国際会議場での仕事も登壇者が会場に来たり来られなかったりで遠隔の要素があります。場合によると時差の関係で講演が録音・録画済みのときもあります。

推敲した原稿を読み、録音装置が動いているという意識があると話の密度が詰まり気味になります。目の前に聴衆がいると
「ああ、みなさん聞いてくれてますよね」
という安心感があるので間合いも生まれます。聞いている人が見えないとどうしても
「隙間(沈黙)を埋めよう」
という意識が働くようです。

そういえば以前の勤務先で休業の案内をする電話自動対応の録音をしたとき、アナウンサー役の社員が
「ちょっとそこにすわっていてください」
と言ってきたことがありました。
「だれかいないとうまく話せないんです」

録音は血の通ったものになりました。そういえば電話の
「ピーと鳴ったら伝言をどうぞ」
ってたいていの人は苦手ですよね。


近所のアオサギのアオちゃん(仮称)とカワセミのカワちゃん(仮称)とが同じ場所で魚を狙っています。アオちゃんはときどき場所を変えて、この翌日は流れのない池にいました。

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2020-11-29 よく調べて、考えて選ぼう

健康食品やサプリメント、美容関係の商品には注意深い人でも、なぜか引っかかって買ってしまうのが教育系の商品。

自分が聞きたい言葉で語ってくる広告宣伝には注意するのが基本だろうと思います。

人間はどんな言葉で語りかけてほしいかというと…

  • できたらいいな、ということが
  • あなたにならできるという呼びかけで
  • 大変だ・難しいというのは従来の学習法が間違っているから、という声で


通訳や翻訳を職業として考えるなら、出どころの確かな情報を参考にするといいと思います。まともな会社・組織は
「私にもできたのだからあなたにもできる」
「まずこちらのメールマガジンソーシャルメディアのグループに登録しましょう」
「あなたらしく生きるために」
という勧誘はしていません。

企業名や主催者名、講師名で検索して評判を調べましょう。日本会議通訳者協会日本翻訳者協会の講演やワークショップに講師として出たことがあるかも参考になると思います。

そして、特定商取引法に基づく表示があることは最低条件です。インタースクール、サイマルアカデミー、フェロー・アカデミー、DHCなどもウェブサイト上のわかりやすいところにリンクがありますね。


私が個人的に考えている通訳者への道は以前に書いたとおりです。

2013-02-01 通訳学校に通うべきか

2014-09-27 通訳者速成

 

2020-11-25 遠隔ばかり

遠隔通訳ばかりになったというお話です。


先日は自宅からの遠隔通訳3件という初めての経験をしました。Zoomが2つ、電話が1つです。

その翌日は客先の事務所で遠隔、帰宅後にZoomで遠隔でした。Zoomをはじめ遠隔システムで参加する前には念のためにアプリケーションの更新がなされているかを確認しています。更新の頻度はかなり高いですね。


以下のグラフは今年(2020年)の月別売上です。棒グラフは1か月あたり3本、左が全日、中が半日、右が合計です。私の場合は夏以降に午前・午後を通しての会議通訳の仕事が減り、短時間の仕事の割合が高くなったことがわかります。企業での遠隔会議が主なものです。今年の月間最高売り上げは営業日数の少なかった2月のものになりそうです。

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季節の事情でしょうか。野菜の皿にもやしが多くなりました。そのかわり(?)牛肉が薄切りのおいしい部位になっています。

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2020-11-18 いつも出遅れる

題名通りのお話です。


買い替える前のノートPCは処理能力は高いのですが(2014年のCORE i7)その分消費電力も多く持ち歩くと電池の残量がいつも気になりました。

今年購入した機器のCPUは CORE i5 ですが、Intel の資料によると処理能力は以前の i7 と同じ程度です。それでいてCPUの消費電力は以前の数分の一になっています。たしかにファンが回りません。


電池が長持ちするとPCを持ち歩く生活が変わりますね。
・いままで:電池残容量は作業時間に対して常に不足
・こんど :電池残容量は作業時間に対してたいてい十分足りる

通訳の仕事に出るときに出先のカフェで調べ物やメールの返答をし、現場で資料を画面に出すくらいでは制約はほぼありません。CPUに負荷がかからない資料の表示だけだと電池使用時間が「残り時間 13時間28分」などと表示されます。電池の負担を少なくするためにノートPCのユーティリティーで充電開始を残容量 55%、充電終了を60%にしています。作業が多くなりそうなときには65%まで充電してから出かけます。


自宅で主に使う機器がそのまま外出用になるととても便利です。データ同期の問題もありません。多くの人が薄型のノートを持ち歩いているわけが今になってわかりました。初のスマートフォンを今年(2020年)に使い始めたくらいですので、いつも出遅れています。


近所のアオサギのアオちゃん(仮称)です。

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2020-11-15 60の手習い

必要に追われると学ぶというお話です。


ちょっとした印刷物形式の文書を翻訳したことがあります。原稿はPDFで、さまざまなデザインのページがありました。ちょっと凝っていて
「どうすればこんな見栄えになるのだろう」
と考えあぐねてしまいました。

悩んでいてもしかたがないのでインターネットを検索します。

ありますねぇ。貴重な情報がざくざく出てきました。Microsoft Word にこんなに機能があったとは知りませんでした。図形処理や表の整形でも実にいろいろなことが(知識があれば)可能なのですね。見よう見まねで試していくとだんだんわかってきます。


いままでまったく使わず存在も知らなかったメニューがこんなにたくさん。新しい操作や画面での書式記号も納期に追われると自分のものにせざるをえません。

「しっかり準備運動してから」
というのも一つの方法ですが、
「泳げるかどうか池に落としてみよう」
というのも時と場合によっては効果があるものです。受注したからには完成させねばなりません。

コンピューターの処理能力も増大しているので操作に対する反応が遅いということもありません。単に人間の頭が追い付いていないだけ。


横浜工場で詰めたものは経木のふたを紙ひもで止めてあります。東京工場のものはかぶせぶたに透明なプラスチックフィルム。

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2020-11-09 まだ18%

学校を卒業して働き始めたのが1984年のことです。
過ごした年月を数えてみます。

人事関連  37%
会計関連  26%
通訳業務  18%
海外事業  10%
企業統合   5%
通訳訓練   4%


残された時間を考えると、通訳の仕事で過ごした時間が人事や会計を上回ることはないのですね。永遠の3位。

時間は相対的に短くても、大きな変化を自分で作り出し、自営業者として自らをプロデュースしてなんとか生計を立てて実りのある時間を過ごしてきました。


遠隔会議ではいろいろと仕掛が複雑になりがち。

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