50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-09-27 通訳者速成

難しいことに取り組むには、二ついっぺんより一つずつでしょうね。同時にはおそらく無理。

少々品のないたとえで失礼ですが、英語力を高めるのと通訳訓練とを同時に行うのは
「頭上のハエと足元のGちゃんとを同時に退治」
するくらい難しいと思っています。


私がもし20代・30代で通訳者を志望していたとして、現在の私がタイムマシンで飛んでいって助言をするとしたら…。

「英語を徹底的に鍛えなさい」
「英米人が『君は日本語も話せるんだね』と驚くくらいまで」
母語話者が文章の添削を依頼してくるようになるまで」
「英語母語話者向けのスピーチコンテストに出なさい」
ここまでくれば、通訳訓練の経験がなくても通訳学校で最上級から2番目あるいは3番目くらいのクラスに入れるから、そこで通訳の適性を確かめればよい。1年くらい取り組んで上達しないのなら、言語の運用能力が足りていても通訳者としての適性がないと考えて早めに進路を変えることも考えてよい。

十分な英語力を身に付けて通訳養成機関に行けば、教授陣に強い印象を残せて先々非常に有利になる。講師ともなれば、受講者の実力にすぐに気づき、
「これは大変な素材が入ってきた。当校の看板にしなくては」
と考える。

英語力が足りなくても「プロ科」「本科」「養成科」といった耳触りの良い名前の課程には入れる。通訳ごっこの授業(他人に聞かせるには遠い訳)でノート(メモ)なんか取ったりしてなんとなく勉強している気分になるかもしれない。だが、すぐに壁に突き当たる。

通訳学校は英語力の増強には最善とは言いがたい。動機・時間の自由・現在の水準がすべて異なる受講生を集めて画一的に教授するのでどうしても個人毎の密度が低くなる。ロールモデルとなりそうな通訳者を何人か訪ねて、英語の学習にどう取り組んだか聞いて回るとよいだろう。


実際の私は50歳で学習を開始したので、上記方法によらずいきなり通訳学校に出向いてしまいました。今になってみると1年くらいは別の方法で英語を学習したほうがよかったかな、と(かなり本気で)思います。

※ 現在の自分から過去の自分へのお説教です。ブログには個人の見解を書くということで、大人の目で読んでいただければと思います。また、通訳養成機関をけなす意図もありません。今も授業料を払って元気に通っていて、価値を感じています。