50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2026-05-02 音声文字変換 ハードウェア(番外編 追加)

前回までの投稿で無事に動作するようになったと書いたのですが、落とし穴がありました。

  1. Lenovo のタブレットTab M8 の処理能力が追いつかない
    音声文字起こしを使っているとときどき文字になっていない部分があるのに気づきました。確認のために普及型スマートフォン Galaxy A23 で同じ音声を使って文字起こしをしてみます。Galaxy ではきれいに文字になりました。Tab M8 と Galaxy A23 の CPU を比較すると A23 のほうが「格上」でした。

    ここで思い出したのが先日の遠隔通訳での経験。Tab M8 を通訳者相互連絡に使ったのですが、Google Meet で動画がコマ落ちになったり音声が途切れがちになったりしました。通信速度は足りていたので、CPU の能力不足だったのですね。
  2. Tab M8 や Galaxy A23 がUSB A/D コンバーターを認識しないときがある
    USB-C でコンバーターを接続してもタブレットやスマートフォンの内部マイクから外部マイクに切り替わらないことがありました(切り替わるときもある)。コンバーターのUSBクラスがタブレットやスマートフォンで認識されない場合があるようです。通訳者仲間から「安定して認識されている」と聞いた「CableCreation Type C 外付け サウンドカード USB C 3.5mm オーディオ ミニ ジャック」をつないでみたところどんな状況でも差し込むと外部マイクとして認識します。

これでどうやら本件についてひととおりの結論が出たようです。タブレットの CPU で処理能力が足りなかったのは意外でした。

 

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地元の駅までの道が青々してきました。

 

スリランカ定食とチキンビリヤニ。

 

2026-01-09 音声文字変換 ハードウェア(番外編 まとめ)

いままで連続4回で Android 上で「音声文字変換」アプリを動かすハードウェア構成を扱ってきました。

現在の備品構成をまとめておきます。私の場合はこれで必ず動いているので安心です。

写真の左から順に

  1. 分岐ケーブル(同時通訳コンソールにイヤフォンとアプリの両方をつなぐ)
  2. 延長ケーブル(必要な長さのもの)
  3. 4極(TRRS)プラグのマイク音声接点に信号を送る変換アダプター
    サンワサプライ KM-A-25-005 、エレコム AV-35AD01BK など
  4. アナログ(3.5 mm)・デジタル(USB)変換器
    バッファロー BSMPC355HRBK など

Android デバイスは Lenovo のタブレット Tab M8 (4th Gen) を使っています。スマートフォンやタブレット用のスタンドを使うと見やすいです。

 

2025-12-24 音声文字変換 ハードウェア(4・最終回)

ようやく解決しました。

スマートフォン(Samsung Galaxy A23)に USB-3.5 mm 変換アダプター(A/Dコンバーター内蔵)を差し込んでも USB クラスを読み取らないことがありそうです。

これについても調べたみたところ、スマートフォンの OS は Android といっても各社いろいろとチューニングをしていて、特に節電設計のために USB デバイスクラスを読み取らないときがあるらしいのです(確証は得ていません)。さらに安価な A/D コンバーターだとUSBデバイスクラスの検出がうまくいかないこともあるとか。

ここで Galaxy A23 の使用をあきらめて Android タブレットを使うことにしました。

処理能力や画面表示は最低限でよいので、信頼性を考えて

Lenovo Tab M8 (4th Gen)

にしました。2025年11月に購入したのですが、製造年月は 2024年11月でした。

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このタブレットに USB-3.5 mm 変換アダプターを接続して音声文字変換を使うと安定して外部音声入力で動作しました。アダプターを抜くとタブレット本体のマイクに切り替わります。アダプターを再度差し込むと外部音声入力に戻ります。

めでたしめでたし。

さらに8インチタブレットなので画面に表示できる文字数が多く、逐字訳のときのノート代わりにもなります。スマートフォンスタンドにこのタブレットを横長にして置くと視認性も良好です。

2025-12-23 音声文字変換 ハードウェア(3)

前回までの試行錯誤のまとめ:

スマートフォンの 3.5 mm イヤフォンマイクジャックに音声信号を入れると音声文字変換アプリが動作した。

しかし、アプリを閉じて再起動したりプラグを抜いて再度差し込んだりするとスマートフォンの内部マイクから音声を拾うようになって再現性が安定しない。

調べてみたところ、問題はスマートフォン側のようです。

  1. スマートフォンの 3.5 mm ジャックにはイヤフォンマイクのプラグを差し込むのが前提。
  2. イヤフォンマイクをつなげると、スマートフォン側で外付けマイク(イヤフォンマイク)を検知してスマートフォン本体のマイクを切り離して 3.5 mm ジャックにつながったマイクを使う。
  3. 外付けマイクの検知はどうもイヤフォンマイク(エレクトレットコンデンサーマイク)の静電容量(C分)を使っているらしい 特有のインピーダンスを使っているらしい。
  4. 同時通訳コンソールやPCなどから音声信号を 3.5 mm ジャックに入れると静電容量は存在しないので「外部マイクが接続された」という判断ができないようだ。
    インピーダンスがエレクトレットコンデンサーマイクと異なるので「外部マイクが接続された」という判断ができないようだ。

ということで、スマートフォンに対して
「3.5 mm ジャックにプラグが差し込まれたら内部マイクをキャンセルして 3.5 mm ジャックから音声信号を拾え」
と伝える必要がありそうです。ですが、スマートフォンの設定にも音声文字変換アプリにも明示的にこれをするメニューがない。

困りました。

こうなったらスマートフォンのUSB端子に A/D コンバーター(*)を接続するしかなさそうです。A/D コンバーターには USB デバイスクラスがあるので
「私は XXX という A/D コンバーターです」
と「名乗り」を上げます。そうすればスマートフォン側で内部マイクをキャンセルするはず。

A/D コンバーターといってもオーディオインターフェイスのような大掛かりなものではなくて、スマートフォン用の「USB-3.5 mm 変換アダプター」として売られているもので足りるはず。

バッファローの BSMPC355HRBK を買いました。USB プラグ側に A/D 変換チップが入っています。

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スマートフォンに USB-3.5 mm 変換アダプタ(という名のA/Dコンバーター)を差し込んで音声文字変換アプリを起動するとめでたく
「マイクを USB-Audio - KM_24bit96khz Audio に切り替えました」
という表示が出ます。A/D コンバーターチップが「名乗り」を上げたわけです。

これで順調に音声文字変換ができました。

が、しかし。

これでも A/Dコンバーターを認識しないときがありました。内蔵マイクになってしまうときと USB 経由になるときの違いがわかりません。再現性がなくて困りました。これでは「こうすれば動く」という確証がないので怖くて業務には使えません。

* Analogue-Digital Converter, 音声アナログ信号をデジタル信号に変換する。USB はデジタル信号を扱うため。

2025-12-10 音声文字変換 ハードウェア(2)

さて、ハードウェア検討の2回めです。

【テストその2】

テストその1で接続ケーブルの端子(プラグ・ジャック)が問題だろうと想定し、解決を図ります。

スマートフォンの 3.5 mm イヤフォンマイクジャックは TRRS の S(スリーブ=プラグの根本の部分)から音声信号を取得しているので、同時通訳コンソールの TRS イヤフォンジャックに差し込んだケーブルの左音声(T)と右音声(R)がスマートフォン側 TRRS の S につながればよいはずです。

 

 

さて、このような変換ケーブルはあるのでしょうか。

実のところ、あるんですね。便利な世の中になったものです。

ヘッドホン+マイク用変換アダプタケーブル

 

写真の左、ピンクのジャックに TRS プラグを差し込むと右の TRRS プラグ(黒)のマイク用の極(S)に信号が流れます。左から2番めのジャック(緑)に TRS プラグを差し込むと右の TRRS プラグの T と T の次の R に信号が流れます。

ここではスマートフォンのマイク入力に音声を流すだけなのでいちばん左のピンクのジャックのみ使います。

【2の準備】

  1. PCに接続したオーディオインターフェイスのイヤフォン用ジャックにTRSプラグの付いたケーブルをつなぐ。
  2. ケーブルの反対側の端のTRSプラグを変換アダプターケーブルのマイク用ジャック(上の写真の例ではいちばん左のピンク)に差し込む。
  3. 変換アダプターケーブルの TRRS プラグ(写真の右端の黒いプラグ)をスマートフォンに差し込む。
  4. PCでYouTube等の音源を再生する。
  5. スマートフォン内蔵の電話通話用マイクから音を拾っていないことを確認するため、YouTube音声再生のスピーカー音量を最低にする(聞こえなくする)。
  6. 音声文字変換ソフトウェアを起動する。

【2の結果】

みごとに音声が文字になって表示されました。すばらしい。米国人の発話は完璧に文字になります。

ところが…

再現性を確認するためにプラグを抜いたりソフトウェアを止めて再度起動したりしたところ、音声を拾わなくなりました。スマートフォン内蔵のマイクに切り替わっています。スピーカーから音を出すとその音を文字にしています(スピーカー再生を止めると文字も出なくなります)。

どのような条件ならケーブル接続の音声入力になるのかを確認しようとしましたが結局わからず。

いや、困りました。

ということで、【テストその3】に続きます。

 

散歩道はすっかり冬の気配です。

 

バインミーとフーティウ(ベトナム南部の米粉麺)



2025-11-10 音声文字変換 ハードウェア(1)

同時通訳ブースに入るとパートナー通訳者が音声を文字に変換するデバイスを卓上に置いているのを見るのがごく普通になりました。通訳者への入力では

  • 音声
  • 会議参加者が見ているスライド等

があったわけですが、これに加えて通訳者への入力が一つ増えるので注意力の分散が気になります。使っている人によると
「お守りみたいなもの」
「製品名など固有名詞の羅列のときに助かる」
「数字の確認」
とのこと。

私が見た限りでは Android の「音声文字変換」を使っている人が多数派。Googleが開発したAndroid OSに搭載するアプリで、ギャローデット大学(米国初の聴覚障がい者のための大学)との共同開発。開発の趣旨により無料です。

試してみると英語では非常に正確です。文脈により適宜修正をするので少し前に戻って単語や句読点を入れ替えることもよくあります。日本語はもう一歩という感じ。

インターネット接続なしで動作(Androidデバイス内で完結)するので内容漏出の懸念がありません。

使い方はいろいろ考えられますのでみなさんにお任せするとして、自分なりに試行錯誤して文字が画面に出るようになった記録を書いておきます。

音声文字変換のアプリは以下のサイトを参照願います。

音声文字変換 | 文字起こしアプリ | Android

 

【テストその1】

これでYouTubeなどの音声を入れてみました。

【1の結果】

文字が出ません。原因はミニプラグの極です。

先端(Tip)が左チャネル音声、中央(Ring)が右チャネル音声、根本(Sleeve)が共通グラウンドです。この構成を TRS (Tip, Ring, Sleeve)と呼びます。音声信号を送る側はこの接続ですが、受け取る側(スマートフォン)はイヤフォンマイクに対応した4極(TRRS)になっています。

この4極の割当が複数あって事情は複雑なのですが、ほとんどの機器が CTIA という規格で、先端(Tip)から順に
左音声・右音声・共通グラウンド・マイク
です。つまりマイク(入力)は Sleeve ということになります。

ですから同時通訳コンソールのヘッドフォン端子(TRS)に4極プラグ(TRRS)の延長ケーブルを差し込んでスマートフォンにつなげると音声信号がスマートフォンに入っていかないことが多いのです。

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インドからの来訪者がチェーン店「ムンバイ」で昼食でした。外食でもチャパティ(全粒粉の非発酵パン)とダル(ひきわり豆)を食べる人が多い感じ。私はマトンとダルにしてみました。よく見かけるような調理ですがおいしくできています。ナンも大きさで人を驚かせることなく巧みに焼いてありました。

2025-10-06 ただただ運が良かった

・自分ができること
・自分がしたいこと
・それをして生計が立てられること

この3つを満たす仕事を現在しているのは大変ありがたいこと。

仕事にはサーフィンのような一面があります。どんなに準備しても、どんなに良い道具を持っていても、どれだけ才能があっても波のないところでは何もできない。波のあるところに移るか、今いる場所でできることをするか。

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大きな病気や家族の都合で通訳の現場に出られなかったかもしれません。仕事を始めるときに新型コロナウイルスの流行で経験を積む機会が少なかったかもしれません。あるいは世界金融危機のときのように企業が通訳予算を大幅に削減していたかもしれません。ものごとが「こうなっていなかった」可能性はさほど低くないのです。薄い氷の上を歩いていても気づかなかっただけ。

仕事の引き合いが多いのは
・たまたま英日という言語組み合わせの通訳を志望して
・訓練を受けることができて
・東京都心に通勤できる場所に住んでいる
から。自分の努力でなんとかなった部分は実はずいぶん小さい。

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彼岸花が咲いている期間は意外と短いですね。

「サイアムオーキッド」はチェーン店としてはかなりあてにできます。
ソムタム、ヤムウンセン、カオマンガイに生春巻。