50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2022-07-02 本格的回復

新型コロナウイルス流行の打撃から業績がほぼ完全に立ち直ったというお話です。


月間売り上げの3か月移動平均をグラフにしています。今年2022年の4・5・6月の平均が3か月平均値で過去最高になりました。新型コロナウイルス流行による打撃から回復しただけではなくて、通訳専業になってから8年を過ぎて顧客とのよい出会いが少しずつ実を結んでいる気がします。


興味深いのが、通訳報酬の区分として伝統的な「全日」と「半日」の比率がコロナ前と大きく変わりました。

  • 2019年には金額比で 全日 100:半日 65 でした。
  • 2022年前半は 全日 100:半日 487 になりました。

同じ日に複数業務を担当することが常態化しています。

  • 2019年では業務のあった日数 209:業務回数 239 でした 
  • 2022年1月~6月では 業務のあった日数 97:業務回数 162 でした。

仕事のあった日あたりの平均業務回数は 2019年には 1.14回、2022年前半では 1.67回ということになります。都心の顧客の事務所で仕事をし、都内のホテルの昼間利用で別件、帰宅してからもうひとつ、といった働き方も月に2回くらいあるでしょうか。必要な持ち出し品リストを作って忘れ物がないようにしています。


半日の仕事でも半日しっかり会議や講習が続くことは珍しくなりました。オンライン参加に特有の「気疲れ」があるためか、会議の時間が全般的に短くなっているように思います。その結果効率的な進行につながっているのかもしれません。


貸会議室で準備。

今年もたくさんの花を付けました。

 

2022-06-24 ダイナミックマイク導入(2)

前回の投稿

2022-06-24 ダイナミックマイク導入(1)

では在宅通訳で周辺騒音が問題になるお話をしました。


いままで複数の通訳現場でダイナミックマイクロフォンを使っているのを見かけました。通訳技能向上センター(CAIS)のビジネス通訳検定(TOBIS)会場では SHURE SM58 でしたし、複数の大手通訳会場手配会社は SHURE BETA 57A を使っています。

BETA 57A はスーパーカーディオイド、鋭単一指向性なのでマイクの横や後ろの音を拾いにくくなっています。音声で使うときにはマイクの正面から話す必要がありますが、その他の方向からの音は相対的にかなり弱まります。おそらくこの理由で通訳機材会社が選んでいるのでしょう。


ダイナミックマイクロフォンをPCに接続するには注意が必要です。

  1. 直接PCに接続(アナログ接続)するとマイクの音量が不足することがあります。Windows の「マイクブースト」が必要になるかもしれません。コンピューターショップ「ドスパラ」のウェブサイトに詳細な説明がありました。
    マイクの音量を設定する方法
  2. オーディオインターフェイスを介してUSB接続する方法もあります。PC内蔵の A/D コンバーターを使わないため音質が良くなるかもしれません。


SHURE BETA 57A を購入し、オーディオインターフェイスを使ってPCに接続してみました。実に良い音です。自然な声に聞こえます。音質ではコンデンサーマイクにかなわないだろうと思っていましたが、通訳では非常に良い印象を与えると思います。そして資料をめくる音はかなり低下し、エアコンや周辺の音はまったく聞こえなくなりました。録音・再生ソフトウェア「Audacity」のレベルメーターは無音時にまったく動きません(コンデンサーマイクだと周囲のわずかな音をきちんと拾うのでレベルメーターが常時ちらちらと動いています)。

注意点としては、オーディオインターフェイス内で再生側にも信号が流れるので自分の声がスピーカー/イヤフォンで再生されます。私はこれは好まないので再生用とは別のオーディオインターフェイスをマイク接続専用にしました。PCの設定で再生用とマイク用に別のオーディオインターフェイスを指定しています。


Blue Microphone の Yeti Nano は一時的に退役し、しばらく BETA 57A を使ってみます。

 

2022-06-24 ダイナミックマイク導入(1)

コンデンサーマイクからダイナミックマイクに変更したというお話です。


以前にマイクロフォンについて少し書きました。

2021-01-17 音声機器の話--マイクロフォン(1)

新型コロナ肺炎流行が始まった頃に Blue yeti NANO というUSB接続のコンデンサーマイクを使い始めました。外国の通訳プラットフォームに登録したところ、「プラットフォーム運営者はリモートデスクトップ機能で通訳者のコンピューターに接続されているUSB機器を調べることがある」という条件だったので、推奨されているマイクなら無難だろうと思ったのが第一の理由です。低~中価格帯のコンデンサーマイクとしては高評価なのも安心材料でした。


講師を担当したセミナーで「声がよく聞こえる」という評価をいただきました。USB接続のコンデンサーマイクなので本体内に A/Dコンバーターを内蔵しているわけで、そのチップがビジネス向けPCのオンボードチップよりは(少しは)高級なのかもしれません。


コンデンサーマイク、それもダイアフラム(振動版)がそれなりの直径のものはかなり鋭敏です。通訳者の声をみずみずしく伝えるいっぽう、紙をめくる音やキーボードの音、室内外の音もかなり拾います。米国の通訳プラットフォーム運営会社のエンジニアからエアコンのファンの音を指摘されました。私の作業場所だとエアコンのファンは横手にあるのですが、マイクの単一指向性がやや鈍いか、または空気の動きがマイクに当たって(いわゆる「吹かれ」)いるようです。


対応策としてはヘッドセットのマイクを使うか、ダイナミックマイクを試すかでしょうね。ヘッドセットのマイクはダイアフラムがごく小さく、音質は劣ります。短時間なら音質はあまり気にならなくても、セミナー等で時間が長くなると聞き手は疲れを感じるはずです。

ということでダイナミックマイクの検討を始めました(続く)。


2012年4月にインタースクール東京校に通い始めてからずいぶん立ち寄ったドトール赤坂一丁目店。

いつもの散歩道にはあじさいが咲きます。

 

2022-06-23 近隣との良い関係

向かいの家で駐車場の工事をするそうです。コンクリートのはつりを伴うのでかなりの音が出る。朝のごみ出し時に声をかけられて予定を教えてもらいました。

私が在宅で通訳をしているのを数か月前に話したので覚えていたのでしょう。たまたまその日は初めての顧客の遠隔通訳があるので都内のホテルに移動して仕事をすることにしました。翌日は朝から都心で別の業務があり好都合です。


隣家のピアノの練習でも今回のような工事でも、
「いつ始まっていつ終わるか」
がわかっていれば音はあまり気にならないものです。

集合住宅でときどき聞く
「はじめましてが苦情を言いにいくとき」
は避けたいものですね。


親が言うには50年前にテニスボールくらいの小さなサボテンをもらってきたそうです。30年経ってから花を付け始め、今では毎年必ず咲きます。今では直径15cm・高さ20cmくらい(40cmくらいまで伸びました)。日本の雨や冬をものともせず良く育つので、数年前に「胴切り」をして寸法を詰めました。「短毛丸」(たんげまる)という種類だそうです。

 

2022-06-19 一年の計

自営業者の税務年度は1月開始・12月終了です。管理会計も同じ年度で実施しています。


年末が近づくと翌年度の簡単な事業計画を考えます。計画と言うよりは「期待」と呼んだほうが正しいかもしれません。内容は二種類。

  1. 年間の「コア通訳報酬」額
  2. 顧客・業務開拓


コア通訳報酬は私が勝手に使っている用語で、消費税別の狭義の通訳報酬です。含むのは通訳報酬・二次使用料・通訳報酬の時間延長手当・打合せ報酬。含まないのは交通宿泊費・出張手当・宿泊手当・移動拘束など、通訳そのものに関係のない収入です。


顧客・業務開拓は次の年にどのような顧客と取引をしたいか、どのような仕事をしたいかです。「△△エージェントに登録する」や「□□分野の仕事をする」といったもの。具体性のない「願望」に近いものもあれば、具体的な行動まで考えたものもあります。


年の途中で進展を確認しますが、計画に従ってものごとが進んでいることもあるし、予定外のことに取り組むようになることもあります。新規取引先の開拓は仲間の通訳者の紹介によることが多く、思いもかけなかった進展もありました。


取引先や取引先の比重は時と共に変わっていきます。主要取引先のシェアの年度別推移をグラフにしました(2022年は前半のみ)。一番下と下から4つ目の取引先は以前に多くの取引がありながら現在では取引がなくなっているのがわかります。それでも他の客先への売り上げが増加したので総額は伸びています。客先によって通訳業務の内容は異なるので、自分が望む仕事に近づいていくためにも健全な入れ替わり・増減は必要でしょう。個人事業主と「主」の字が付くのですから、自分で考えて行動する機会が与えられていると思うようにしています。



 

2022-06-08 ちょっと模様替え

机の上の配置を少し変えたというお話です。


ThinkPad X1 Carbon という14インチ画面の薄型ノートPCを卓上でも移動先でも使っています。数か月前から別体ディスプレイを使い始めました。以前デスクトップPCを使っていた時の EIZO FlexSacn  S1701 (2006-2011年に製造)です。ディスプレイの前に表示パネルを半分畳んだPCを置き、そのPCのキーボードとトラックポイントを使っていました。


最近細かい PowerPoet 資料を見ることが多くなり(気持ちはわかりますが、皆さん詰め込みすぎ!)、17インチ(対角線 43cm)では字が読めるまで拡大するとスライド全体が表示できなくなって不便を感じます。もう少し大型のディスプレイということで同じく EIZO FlexScan EV2485(24.1インチ、対角線 61.1cm) を購入しました。表示面積は 1.8倍になります。27インチも考えたのですが、WQHD(2560×1440)の解像度だと広大な画面に小さな文字が、ということになりそうなのでFHD(1920×1200)にしました。


それと共にPCを閉じて机の隅に追いやり、別体キーボードとマウスを使うようにしました。目の前に半分閉じたノートPCがなくなるだけでずいぶん視界が開けた気がします。画面が見えればよいというものではないのですね。

FILCOブランドのキーボード「マジェスタッチ」も久しぶりです。「茶軸」スイッチの標準的なキータッチですが、ノートPCから移行すると新鮮ですね。通訳業務中に打鍵すると音が目立ちそうです。


横浜駅西口を出て川を渡ったところにあるネパール料理店「スバ」はおいしいダルバート(ネパール定食)を出します。

 

2022-06-04 傷は浅かった--今だから言える

新型コロナウイルスの流行のため人の往来が途絶え、会場で実施する通訳業務は2000年3月・4月に文字どおり消滅しました。

影響を受けた度合いは通訳役務の提供形態・提供先でずいぶん異なりました。施設訪問等、代替手法が取れないものは実施が中断されたままになるいっぽう、会議は遠隔実施へと移行が進みました。放送通訳はコロナ関連情報が増えてかえって忙しくなったはずです。

「コロナで通訳の仕事、どうなった?」
と尋ねると、相手によって答えは様々だったわけです。


企業や政府関係の仕事が中心の通訳者の一例として、私の3か月平均の業務量(金額)を参考として掲載します。「2019-09」と表示があれば 2019年7・8・9月の平均です。

緊急事態宣言が発せられた 2022年4月から直後の3か月に大きな落ち込みがあります。しかしその次の3か月で早くも増加が始まりました。

2021年1月~3月の平均でかなり伸びているのがわかります。2022年の4月からは引き合いが旺盛で、1~6月の半年では過去最高になりそうです。


遠隔対応の業務が中心の顧客と出会えたこと、以前から取引のあったエージェントが積極的に遠隔業務を提案できたことのおかげです。

飲食や旅行産業では業態を見直さなければならなかったり縮小・廃業せざるを得なかった例も多く見聞きしました。たまたま通訳をしていて、たまたま遠隔が可能な顧客に役務を提供できたという運の要素も強いと思います。

横浜駅西口を出て近くの「スバ」のダルバートはとてもおいしい。