50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2020-08-09 声

日本通訳翻訳フォーラム2020 は8月中(1日~31日)毎日(本当に休みなしで)オンライン開催です。

主催者の一般社団法人日本会議通訳者協会の理事や会員が司会や案内役をしています。翻訳を主にしている方からときどき
「さすが通訳者、声が聞きやすいですね」
といううれしい感想を聞くときがあります。


声の要素(大きさ・高さ・変化・語りの速さ)を改善するのは通訳技能を伸ばすよりも成長の実感を得やすいと思います。たいていの通訳者は声の練習をあまりしていないので「伸びしろ」が大きい。少ない投資で大きい成果を感じることができます。身体的な練習は楽しいですし。

このブログでも過去にこんなことを書いていました。

2012-09-17 発声練習

2014-04-06 自分の声を聞く

2014-06-29 自分の声

2014-09-11 通訳の現場で役立つボイストレーニング研修(東京)

2017-07-13 少しずつ

 

2020-08-04 何か違ったものになる

日本会議通訳者協会の夏の催し
日本通訳翻訳フォーラム2020
が始まりました。

講演数はまだ少数ですが、すでにかなりの好評を博しています。

Zoom の Webinar という機能を使っています。講演者は参加者の顔を見ずに話を進めることになるので慣れないと自分の言いたいことが伝わっているかどうか不安を感じるようです。

それでも講演者はすぐに慣れて自分の世界を作り出していきます。こうしたときに
「人間は柔軟だな」
と思います。遠隔の通訳も然り。会議参加者も通訳者もいろいろと制約を受けながらも、
「ま、しょうがないよね。今使えるのがこれなんだから」
という割り切り・あきらめで割合元気に取り組んでいることが多いようです。


遠隔講演や遠隔通訳は会場での実施を代替してはいるのですが、本質的に何か違うものになっているという一面もあると感じています。おそらくコロナウイルス流行という制約がなくなってもオンラインの利用は以前よりも「高止まり」するのではないでしょうか。単に経済的な面だけではなく、人が動いたり集まったりするコストを改めて見直すことになりそうです。


神奈川県横浜市の西のはずれにベトナム料理店の集積地があります。
米粉の汁なし麺(ゆでただけ)に具をのせた「ブンチャー」。ニョクマム(魚醤、タイのナンプラーに似ている)ベースのたれをかけて食べます。

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2020-07-29 波を起こした

日本会議通訳者協会主催
株式会社アルクイカロス出版株式会社後援(順不同)

 日本通訳翻訳フォーラム2020

チケット販売枚数が 921 になっていました。

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通訳・翻訳の関係者が個人で 6,000円~9,800円のチケットを買ってくれて、それが積み重なって 900を超えた。

これはもう「現象」と呼んでよさそうです。

オンライン開催ということで日本国内のみならず外国からの参加も多数。

知の集結の形は変容し、進化していると感じます。

2020-07-24 ちょっとよみがえる感じ

何でも久しぶりになるというお話です。


都心の事務所に入る仕事を久しぶりに担当しました。コロナウイルス感染防止に十分注意している企業(複数)での仕事です。

広い部屋に数名が離れて座り、大部分の参加者は遠隔接続です。

それでもお客さんの事務所に入ると以前の感覚を取り戻して少し感慨があります。


現場に入る前にいつも立ち寄るチェーン店のカフェも客足が戻りつつあるようです。席を間引いているので売上上なかなか厳しいかもしれません。

ドトール系列の「エクセルシオールカフェ」で朝に出している「ジャンボンハムレタスサンド」が私の第一選択です。ちなみに第二はタリーズコーヒーの「厚切りトーストツナチェダーメルト」。名称を確認したらこの商品は「厚切りトーストツナチェダーウォルナッツ」に衣替えしていました。それだけタリーズコーヒーの店舗のある丸の内の某所と六本木の某所の仕事に行っていないということですね。


南インド式定食「ミールス」。小田急相模原の「羊屋」の調理は確かです。これで税込1,012円なのでもうすこし高くしていいよ、と言いたい気分。

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2020-07-18 今年の業績

ひとつの参考にと思いまして。

1 単月前年同月対比(今年/前年)

1月 80%
2月 97%
3月 29%
4月 13%
5月 44%
6月 30%

2 累計前年対比(今年/前年)

1月まで 80%
2月まで 90%
3月まで 70%
4月まで 52%
5月まで 50%
6月まで 47%

 ▼
現在までに打診があった業務を反映すると今年の売り上げは昨年の 33% になります。今後も 7~12月の業務打診は増えますので、とりあえず昨年比 40%(-60%)を今年の暫定見通しとしておきましょう。


来年(2021年)のコロナウイルス流行による影響は予測もつかないのですが、通訳需要はそう簡単に増えていかないと考えています。今までもこのブログで書いてきたことですが、以下の考察からです。
・業績の悪化で企業が会議開催を見直し、回数が減る
・通訳費用も経費節減の対象となり、通訳なしの会議へと移行
・外国人来日数は 2019年の水準には遠く及ばないだろう
・通訳エージェント・通訳者の競争による低価格化が進む


急に落ち込んだ分はまた戻してくるはずですが、通訳市況の全体的な低下があると思っています。鉱山を掘っていたら鉱物の含有率が下がってくるような、作物を植える土壌の塩分がだんだん増えて不作になっていくような、そんな変化があるかもしれません。


コロナウイルスに限った流行でも
2003年 SARS-CoV
2015年 MERS-CoV
2019年 SARS-CoV-2
と続いているので、今後もウイルス性疾患の流行があるのは間違いないでしょう。

すべていままでそこにあった脅威なのですが、私は大企業の懐の内にいたので意識することがなかったとも言えます。

いっぽう、2~3年単位で見ると良質な通訳を提供していれば十分に仕事量は確保できそうな気もします。
「そのときに最初に連絡をしたくなる通訳者」
でいるのは危機でも平時でも同様に大切。

 

2020-07-14 原則「放っておけば自分でわかる」

何か書くと実は
「自分が正しい」
ことを外に言って回りたいのが主な動機なのかもしれないというお話です。


「これだけで通訳者になれる」
「何年も勉強しなければなれないのは実は思い込み」
といった誘い文句の通訳者養成講座は過去にも現在にもありましたし、将来にも出てくるでしょう。

こうした広告を見て
「そんなに甘いものではない」
「こんな講座に引っかかる人がかわいそう」
と声を挙げる人もいます。私も心の中ではそうした批判に同意しています。それでも
「我こそは地の塩なり」
とばかりに懸命にそうした広告や広告主を責めるつもりはあまりないのです。

今では調べれば通訳がどんな仕事かすぐにわかりますし、通訳者もいろいろと発信しています。たぶん放っておいて大丈夫なんじゃないかと思うんです。それに、そういう広告を信じる人は私が何か書いても読まないだろうし、仮に読んだとしても行動は変わらないと思うし。

「いや、貴重なお金を捨てることになるからかわいそうではないか」
という声もありますが、考えようによっては中古の軽自動車を買うくらいの、あるいは海外に旅行するくらいの代償で夢が見られるとも言えます。ひょっとするとそれがきっかけで通訳者になるかもしれないし、職業や自分の生活についていろいろ考えることになるかもしれません。


コメを腹いっぱい食べたい、という伝統。ネパールの国民食ダルバート」。肉以外はおかわり可能というのが流儀のようです。肉のスープカレーも「具なし」ならおかわりできます。

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2020-07-13 推進力増加

一般社団法人日本会議通訳者協会では今年(2020年)5月に新任の理事4名が執行グループに加わって活動を始めました。

ものごとの進みがぐっと早くなりました。新しい取り組みも生まれています。この協会には専従者はいないので、何をするにも現役通訳者が時間をやりくりして対処しています。新理事の活躍は値千金。


仲間が増えて改めて気づくこともありました。経験や知識、目の付け所が人によって違うので、今まで苦労していたことに新たな解決案が出たり外部への接触経路が多様化したり。

まずは夏の日本通訳翻訳フォーラム2020の準備・実施が大きな山場ですが、その外にもいろいろと活動を充実させることができそうです。


雨の合間を縫っていつもの散歩道。

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