50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2021-04-05 会議室2回線の同時通訳

電子会議室2回線の同時通訳の設定についてのお話です。


コロナウイルス流行の前もありましたが、最近になって一段と増えたのが
「実況中継型」同時通訳。

日本人が主体で日本語進行の会議を外国人参加者に伝えていくのが主目的の通訳です。状況としては以下のようなもの。
・監督的立場にある外国人が状況を知っておきたい(発言は特に必要ない)
・同時通訳プラットフォーム(InterprefyやKUDOなど)の費用をかけたくない


たいていの場合遠隔会議室(Teams や Webex、Zoom など)を2つ使います。
・会議室A 主会議室
・会議室B 通訳音声用会議室
外国人参加者と通訳者は機器を2台用意し、1台でAに、もう1台でBに接続します。

通訳者はAの画面を見てAの音声を聞き、同時通訳の訳出をBに入れます。外国人参加者はAの画面を見てBの音声(通訳者音声)を聞きます。Aの音声も流しておくことが多い(だれが発言しているかを知るため)。


この方法は主に一方通行の同時通訳でのみ成立すると考えるべきですね。通常の同時通訳のように日→英・英→日の切り替えをするのは曲芸になります。

日→英:通訳者はAをミュートにしてBをアンミュート
英→日:通訳者はBをミュートにしてAをアンミュート

という作業が必要になるためです。以下のような設定をすれば実用になりますが、これを通訳者個人が用意するのはひと手間でしょう。

このブロック図では現在 日→英 の通訳をしている状態です。

電子会議室ソフトウェアは発言者の声は発言者に聞こえないようにしているので通訳者の声が通訳者のイヤフォンに「戻ってしまう」ことはありません。

 

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