主流の技術が大きく変わるとき、その提供者も変わることが多いというお話です。
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真空管を製造していた企業がLSI製造にうまく移行した例はないようです。航空エンジン産業でもガソリン機関メーカーがガスタービン(ジェット)に主力を移してうまくいったのは Pratt & Whitney と Rolls-Royce くらいでしょうか。
音楽レコードやCDの制作会社がオンライン配信に移行して成功した例も聞きません。
電気自動車ではアメリカのテスラ、中国の BYD の躍進は他社を寄せ付けていません。
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環境が大きく変化するとそれまでの成功経験が一夜にして負債になることが多いですね。
「いまさら変えられない」
「変えるにしても少し時間をかけて」
と方向転換に時間がかかっている間に過去のしがらみのない新興勢力に置いていかれます。
通訳業界にもコロナウイルス流行で大きな変化が起こりつつあります。以前の市場の大きな危機、つまり SARS 流行や世界金融危機の後のように従来型の需要が盛り返すのか、それとも何か新しいものに変化していくのか。
私の場合だと10月から12月へと受注が増加してきたのですが、コロナウイルスの変異種が検出されるなど、まだ先行きはわかりません。
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短期的には遠隔通訳が主流となっている現状はしばらく続くと思います。物理的に人は集まれないが会議は必要で、その技術もどんどん進化しています。通訳の方法も変わらざるをえません。
「以前のような会場のほうがよかった」
と言うのは勝手ですが、過去を思い出しても価値は生まれませんね。
今後は「新種」に注目する必要があると思います。恐竜の足元をちょろちょろ走り回っている小さな生物が生き残るのかもしれませんよ。
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横浜市にある「ルーフトップビアガーデンヨコハマ」のダルバート(ネパール定食)。マトンのスープカレーも豆のスープカレーもすばらしい出来。ご飯をどんどん食べてしまうので血糖値上昇が心配です…。