「あなたでも▲▲歳から通訳者になれます」
という論調の投稿はこのブログにないはず、というお話です。
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何かを習得し、それによって成果を上げるにはある程度の時間が必要です。長い短いの個人差はあると思いますが、通訳で考えると年単位で考える必要があります。
私の場合には2014年に業務を始めたので
「仕事はどんどん増えるもの」
という一種の「刷り込み」がありました。外国企業の日本進出、日本企業の外国展開、オリンピック・パラリンピックの準備、来日者の増加などが相まって通訳需要が伸びていたのを目撃してきました。通訳者として経験を積むにしたがって任される仕事の種類も量も増加したので、個人的には「二次曲線的」な増加を経験しました。
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今年2020年はコロナウイルス流行で通訳業界に大きな影響があり、通訳者や通訳エージェント会社は大きな打撃を被りました。SARSや世界金融危機の経験のある人たちは
「仕事がなくなる」
ということがどういうことかを記憶しています。市場の下降局面に対する準備がある人もいたことでしょう。
いっぽう私にはまったく新しい経験でした。仕事は増えることもあれば減ることもあるということを初めて真剣に考えたわけです。売上が減る可能性を考えて日ごろから貯えを考えるべきか、あるいは下向きの変化に強くなるよう方策をとるべきか。
そして思い当たったのが、そうした大所高所から物事を考えて実行に移しているうちに元気に働ける人生の残り時間がなくなるかもしれないということ。たとえば10年という期間で何をするかを考えるとき、前提条件や実際に10年が経過した後どうなっているかは50歳のときと60歳のときとではずいぶんと違います。
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通訳学校に通い始めたときから毎年の目標・計画を立ててきましたが、2021年に何をするかは今までよりもじっくり考える必要がありそうです。
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