前回の投稿
では在宅通訳で周辺騒音が問題になるお話をしました。
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いままで複数の通訳現場でダイナミックマイクロフォンを使っているのを見かけました。通訳技能向上センター(CAIS)のビジネス通訳検定(TOBIS)会場では SHURE SM58 でしたし、複数の大手通訳会場手配会社は SHURE BETA 57A を使っています。
BETA 57A はスーパーカーディオイド、鋭単一指向性なのでマイクの横や後ろの音を拾いにくくなっています。音声で使うときにはマイクの正面から話す必要がありますが、その他の方向からの音は相対的にかなり弱まります。おそらくこの理由で通訳機材会社が選んでいるのでしょう。
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ダイナミックマイクロフォンをPCに接続するには注意が必要です。
- 直接PCに接続(アナログ接続)するとマイクの音量が不足することがあります。Windows の「マイクブースト」が必要になるかもしれません。コンピューターショップ「ドスパラ」のウェブサイトに詳細な説明がありました。
マイクの音量を設定する方法 - オーディオインターフェイスを介してUSB接続する方法もあります。PC内蔵の A/D コンバーターを使わないため音質が良くなるかもしれません。
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SHURE BETA 57A を購入し、オーディオインターフェイスを使ってPCに接続してみました。実に良い音です。自然な声に聞こえます。音質ではコンデンサーマイクにかなわないだろうと思っていましたが、通訳では非常に良い印象を与えると思います。そして資料をめくる音はかなり低下し、エアコンや周辺の音はまったく聞こえなくなりました。録音・再生ソフトウェア「Audacity」のレベルメーターは無音時にまったく動きません(コンデンサーマイクだと周囲のわずかな音をきちんと拾うのでレベルメーターが常時ちらちらと動いています)。
注意点としては、オーディオインターフェイス内で再生側にも信号が流れるので自分の声がスピーカー/イヤフォンで再生されます。私はこれは好まないので再生用とは別のオーディオインターフェイスをマイク接続専用にしました。PCの設定で再生用とマイク用に別のオーディオインターフェイスを指定しています。
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Blue Microphone の Yeti Nano は一時的に退役し、しばらく BETA 57A を使ってみます。