自分の得意なことをして、成果を広く配分してくれる人が多いというお話です。
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人が集まることがなくなり、会議室内の通訳業務はほぼ消滅しました。
それでも異なる言語間のやりとりはなくなるわけではなく、通訳手配として現れない通訳需要は依然として存在します。それをくみ取るべく従来から遠隔同時通訳技術を提供してきた企業が積極的に商機を拡大しようとしています。interprefy は日本でサイマル・インターナショナルを国内独占供給者とする協定を結びました。
私が聞き及んだ範囲だと interprefy はソフトウエアというよりは同時通訳手配サービスと呼んだほうが実情に近そうです。つまり会議1回(単位時間)につきいくら、という課金制度。interprefy のウェブサイトを見ると通訳者の手配もしているようです。
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interprefyや KUDO といった既存勢力に対抗しようとしているのが Zoom。遠隔会議・セミナーシステムに通訳機能を追加してきました。月額1万円未満のライセンスで同時通訳機能が使えるようになるので注目を集めています。そして Zoom の他にも低予算型遠隔同時通訳プラットフォームが登場しつつあります。
急激な市場の変化で遠隔同時通訳技術の調査・導入が追い付かない通訳エージェンシーも多数ある中、通訳者が自らの経験や遠隔同時通訳の実施方法について語り始めました。そして惜しみなく試行錯誤の結果を仲間の通訳者やエージェンシーに公開しています。すでに複数の小規模エージェンシーがそうした先進的な通訳者と組んで遠隔同時通訳の試験導入や顧客への提案を進めていると聞きました。
一般社団法人日本会議通訳者協会でも Zoom を使った実践・実験の模様を一般に公開するようです。
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新技術の浸透を研究したイノベーター理論をなぞることになるかもしれません。これからアーリーアダプターがオピニオンリーダーとなって通訳業界に影響力を与えていくかどうかという時点にさしかかりつつあるという感じ。
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2014年の春に撮影。