50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2021-11-30 Zoom強し

突然現れて遠隔会議の代名詞になり、さらに一部では動詞にもなっているZoom。最低限の機能の同時通訳機能を他のアプリケーションより早く実装した割り切りも巧みでした。

会議やウェビナーを Zoom の言語通訳機能(簡易同時通訳)を使って複数言語で開催する際の通訳業務は増加しているような気もします。

この簡易同時通訳機能は会議参加者や聴衆が複数のデバイス(会議参加用と通訳音声聴取用)を使わずにすむのが特徴です。会議室の原音声または通訳音声の二者択一。制約や不自然さは当然生じますが、通訳専用のアプリケーションを使って会議参加者に通訳音声用の第2デバイススマートフォン等)を義務づけるよりはるかに手軽です。


複数通訳者体制のときにはパートナー通訳者の訳出音声が聞こえないのでちょっと工夫が必要です。短い講演が続く発表会形式なら事前に分担をはっきり決めて通訳者相互の連絡を取らなくても交代が可能でしょう。オンラインタイマーを共有してリセットするのが交代の合図、ということも可能です。しかしやはりパートナーの音声を聞けるほうが確実ですし、相互に連絡も取れて便利です。


通訳者相互の回線にも会議内容が流れるので顧客に黙って使うわけにはいきません。エージェントや通訳発注者に副会議室を用意してもらうのが確実です、もしくは通訳者が有料アカウントで会議室を用意すべきでしょう。


以下は Zoom 同時通訳をするときの現時点でのブロック図です。AG03と 302USBはそれぞれオーディオインターフェイスです(AG03: ヤマハ、302USB: Behringer XENYX)。購入時点が違うので異なるインターフェイスになりました。通訳者連絡用会議にはビデオも使って「手信号」も可能にしています(安心です)。

パートナー通訳者の音声は 302USBでアナログ化して AG03 で主会議室音声と混合しています。AG03 のボリュームつまみでそれぞれ音量を調節できるので便利です。音楽ではなく音声だけなので通訳者連絡用のPCから(302USBなしで)アナログで AG03 に接続しても音質面では十分かもしれません。

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