通訳学校その他で通訳の練習を観察する機会が増えました。
学習者や受講者に共通する弱点(課題)を挙げるとすると、
1.何かを探っているような/迷っているような、流れが滞った発話
2.話者が発した情報の取り込み
でしょうか。この2つは別の問題のようで実はかなり相互に関連があります。
今日の記事は上記 1 について。原因はおそらく2つ。
A.そもそも人前で端正に簡潔に話すことに慣れていない。
B.原文の語句に引きずられるあまり、普通の表現になっていない。
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通訳では他人の話を大急ぎで取り込んで別の言語で表現していきます。相手に聞きやすく話す練習をしていない人が通訳練習だからといって急に伝えるのが上達するとは考えにくいですね。
そして原文を単語単位で懸命に置き換えようとすると訳文の流れが止まります。
なぜ「懸命に置き換えようとする」のかというと、おそらく英語・日本語の運用能力が足りていないから。言語面で制約があるので意味の取り込みの深さ・速度が共に不足していて、その意味を別の言語で表現することも同じ理由で難しい。
「このような内容を表現するには、普通はこう言う」
という蓄積が不足しているか、蓄積があったとしても直ちに動員できていない。
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音声を聞いて通訳練習するだけではなく、日本の新聞を読んでその内容を流れの良い英語で説明する。日英を逆にして同様の練習する。簡単な準備をして数分のスピーチをする。他の人のスピーチを聞いてすぐに論評・評価を返す(集中して聞く良い練習になります)。このような練習がずいぶんと不足しているような気がします。
欧州の大学院の通訳課程では毎回の授業で短いスピーチが取り入れられていると聞きました。課程を修了した人は通訳の現場に出てその理由を思い知ったそうです。
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以上に書いたことは私の課題でもあるので、いろいろと練習メニューを考えて練習しています。
「ひょっとしたら(この練習方法は・この表現は)違うんじゃないか」
という健全な疑いの心で練習するのが好きです。
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相模原市上溝にすばらしい店ができました。「RAISA」です。これでもう埼玉県八潮市や中央区日本橋、江東区大島に行かずともニハリやパヤが食べられます。
ニハリの骨付き肉(俗称「ギャートルズ肉」)
全粒粉で焼いたロティは良い香り。メニューに載っていませんが、「ロティ」と注文すれば問題ないようです。