50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2016-02-06 芽が出るまで待つ--水はちゃんとやり続けましょう

The Economist を黙読して文章を再現する練習を続けて3年くらいになります。ずいぶん長い間さほど進歩を感じることはなかったのですが、最近の1か月で
「ずいぶん以前と違うな…」
という感じを抱きました。気のせいかとも思って自分の感覚を何日か観察してみましたが、やはり変化があるようです。

  1. 1度に取り込んで再現できる文の長さが伸びた
  2. 文章のいろいろな部分に注意が行くようになった

【1】
以前は 25 語程度でかなりの負担に感じていましたが、最近は 30-40 語ほど続けて読む気になります。再生時に原文を完全に再生できなくても大きく外すことはありません(なじみのない内容だと落としてしまう部分がありますが)。時系列や因果関係の「物語風」な部分ではやや長いパラグラフ1つ(50-60語)を同様に再現できるようになりました。

※「なんだ、たったそれだけ?」
と感じる方も多いと思います。通訳訓練を受けていなくても The Economist のパラグラフなら1つあるいは2つほぼ完全に再現できる人は多いのです…。

 【2】
黙読・再現以外のときでも英文から「盗む」べきものがいままでよりもずっと多く見つかります。「こういうところが気になる」に書いているようなことですが、日々たくさん目に飛び込んでくるようになりました。1980年代から TIME・The Economist と読んできましたが、この数か月で英文の「鮮烈さ」がずっと強まったように感じます。


いままで高原現象(plateau)を感じることはなかったのですが、人生 50 年を過ぎてそれらしいことを初めて経験しています。
「だいたいこれでいいのかな」
と思ったら続けてみるのも大切ですね。


「リプロダクションは3年やってください」
と指導してくれたインタースクールの講師には改めてお礼を申し上げます。ブログ「定年からの通訳デビュー」に著者のモコちゃんパパさんが取り組んでいらっしゃる様子が書いてありました。ここに登場する通訳学校の講師は私に勧めてくれた方と同一です。


こうなると BBCCBS、そして最近は日本語の決算説明会を材料にして日課になっている同時通訳練習もある程度(年単位で)続けていると何かあるかもしれないと(欲深くも)思ってしまいますね。