50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2022-06-04 傷は浅かった--今だから言える

新型コロナウイルスの流行のため人の往来が途絶え、会場で実施する通訳業務は2000年3月・4月に文字どおり消滅しました。

影響を受けた度合いは通訳役務の提供形態・提供先でずいぶん異なりました。施設訪問等、代替手法が取れないものは実施が中断されたままになるいっぽう、会議は遠隔実施へと移行が進みました。放送通訳はコロナ関連情報が増えてかえって忙しくなったはずです。

「コロナで通訳の仕事、どうなった?」
と尋ねると、相手によって答えは様々だったわけです。


企業や政府関係の仕事が中心の通訳者の一例として、私の3か月平均の業務量(金額)を参考として掲載します。「2019-09」と表示があれば 2019年7・8・9月の平均です。

緊急事態宣言が発せられた 2022年4月から直後の3か月に大きな落ち込みがあります。しかしその次の3か月で早くも増加が始まりました。

2021年1月~3月の平均でかなり伸びているのがわかります。2022年の4月からは引き合いが旺盛で、1~6月の半年では過去最高になりそうです。


遠隔対応の業務が中心の顧客と出会えたこと、以前から取引のあったエージェントが積極的に遠隔業務を提案できたことのおかげです。

飲食や旅行産業では業態を見直さなければならなかったり縮小・廃業せざるを得なかった例も多く見聞きしました。たまたま通訳をしていて、たまたま遠隔が可能な顧客に役務を提供できたという運の要素も強いと思います。

横浜駅西口を出て近くの「スバ」のダルバートはとてもおいしい。

 

2022-05-26 人のことをまねてみる

他の人が
「これ、いいですよ」
というときにはなるべく従ってみようと最近心がけています。

以前にはなかなかしなかったしできなかったことです。


「本当におなかがすききってしまう前に何か食べたほうがいい」
というのは一緒に仕事をした若い通訳者です。その方が親から聞いた話らしい。何かを食べて消化するにはかなりのエネルギーを使うので、その「余力」があるうちに何か食べるほうが体にやさしく仕事にも悪影響が出ないというお話です。

スポーツ医学の研究でも5時間活動したら食べたほうが良いらしい、という結果が出ているとか。


「マイクロフォンにはブーム(取付支柱)があったほうがいい」
これは米国在住の通訳者から聞きました。使っている Yeti Nano をアームで支えるようにしたらあら不思議、声が良くなったという評価を得ました。マイクの高さが適正になり、体の姿勢が良くなって発声が改善し、自分の胸に反響する音も自然になったようです。机の振動も伝わらなくなりました。


「ノートPCには架台を使ったほうがいい」
という話はよく一緒に仕事をする通訳者から聞きました。常時使うPCはノート型ですが、外付けのディスプレイを使っています。在宅同時通訳をするときに2台目のノートPCの出番です。アルミ製の折りたたみスタンドに乗せてディスプレイの高さを常用ディスプレに合わせたらずっと見やすくなりました。肩・首・目の疲れもだいぶ軽減される気がします。


ほかにもいろいろと教えてもらってありがたい限りです。


少し前のことになりますが、花の季節。こんな場所を歩きながら同時通訳の練習ができるところに住んでいると、都心に出るのに少し時間がかかっても、まあ、いいかと思います。最近は在宅通訳が多いですし。

 

2022-04-27 そこそこの業務量

2022年の1月・2月はやや低調でしたが、3月・4月は新型コロナウイルス流行前の水準程度の売り上げになりました。1~4月の合計が過去最高にわずかに及ばない程度です。

「過去最高」というと言葉の響きは良さげですが、あくまで相対的な表現ですね。Paul Simon の書いた曲 One Man's Ceiling is Another Man's Floor(邦題:君の天井は僕の床)のように、私の月間最高額が最低額という通訳者もいることでしょう。

人と比べることは毒にもなり薬にもなると思います。どのくらいの業務量を扱うとどのくらいの収入になるかをなんとなく知っておくのは通訳を生活の糧とするには必要でしょう。


2012年4月21日にインタースクール東京校で初めての授業を受けてから10年が過ぎました。通訳者養成課程の最高齢受講者はその後フリーランス通訳者になり、申告所得では会社員時代を上回ることもありました。思い切った「商売替え」としてはまあまあかもしれませんが、過ぎたことは過ぎたこと。常にある程度の焦りや不安は感じていないと危ういと思っています。


このあたりに住んでいる人にとってこの景色はあたりまえ。

製造販売元でしか買えないお菓子。峠を越すための「力餅」だったそうです。

 

2022-03-27 歳歳年年人不同

今年 2022年1月・2月の通訳業務量は少し不安を感じるほど少な目だったのですが、3月になって回数が増え、1~3月の合計は今までの最高額になりました。

直前に発注のある仕事が多かったので仕事量を確保したという実感が乏しいのですが、合計してみると意外に仕事をしていたという感じです。

第一四半期では過去最高の 2021年、その前の新記録 2019年と比べると受注先がやや入れ替わっています。以前に多く請け負っていた客先からの発注が減っても新しい顧客からの依頼が増えて全体として増加する。新型コロナウイルス流行で顧客の会議の予定が大きく変わったために通訳サービスの調達にも変化が起こっていることを強く感じます。

以前にはなかったこととして、1回1~2時間の在宅業務を1日に4件ということもありました。これは物理的会場を移動するとかなり難しいことです。


少しうれしいこともありました。最近注文のあった複数の顧客が通訳者の予定に合わせて会議を設定しているようです。私の通訳スタイルや過去の経験による知識がたまたま需要に合っていたのだと思います。これを励みにして他の顧客にも価値を実感してもらえるサービスを提供したいものです。


上は神奈川県藤沢市「Easy Day」、下は綾瀬市「Aysha Kitchen」のスリランカ昼定食です。共にスリランカで一般的なサンバ米をたっぷり食べさせようという意図がはっきりしていますね。まずご飯ありき。

f:id:shira-j:20220325224948j:plain

f:id:shira-j:20220325225011j:plain



2022-03-26 講習会を担当しました

一般社団法人日本会議通訳者協会・イカロス出版株式会社共同編集「通訳の仕事 始め方・続け方」出版記念行事の一環としての
・2022-03-05 逐次通訳(日英)ワークショップ
同時通訳グランプリ参加者のための
・2022-03-19 JACI同時通訳グランプリ準備ワークショップ
の講師を担当しました。

共にオンライン実施です。多くの方が参加してなかなか良い学びの場になったのではないかと思います。


オンライン学習では会場に集まる場合と比べて制約があるのはしかたがないところです。話すときもマイクをオンにするというひと手間があるなだけで勢いがやや失われてしまう気がします。次にだれが発言しそうなのか、自分が話してよいのかと「場の雰囲気をうかがう」こともあるでしょう。休み時間や講習後の交流は最も影響を受けた部分です。

いっぽう利点もかなり多いと感じています。まず地理的制約がない。世界中どこからでも(時差の問題はありますが)参加可能ですし、日本国内でも遠距離移動が不要です。育児や介護で最初から最後まで参加できるかがはっきりしなくてもとりあえず出席してみることができます。資料を投影すると自分の画面にはっきりと写ります。

実際の通訳業務でも遠隔実施が多くなったので、遠隔講習の体験が実務や学習に役立つのはまちがいありません。


これからも学習会や講習の企画があります。いつかどこかでご一緒する際にはどうぞよろしく。


近所の川でチュウサギのチュウちゃんが魚を追っています。

f:id:shira-j:20220325222738j:plain

f:id:shira-j:20220325222825j:plain

味もすばらしかったトマト

f:id:shira-j:20220325222943j:plain


トマト

 

2022-02-27 ちょっとしたことは tweet しています

ブログ記事にまとめるほどでもないことは Twitter に投稿しています。

探せば簡単に見つかると思います。


神奈川県のスリランカ料理店が出す昼定食には大きく分けて2つの流派があるような気がしています。汁気の多いカレー・いろどりの良いスタイルとご飯が中心となって汁気の少ないカレー・おかずのスタイル。

f:id:shira-j:20220226210837j:plain

f:id:shira-j:20220226210813j:plain