50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2021-07-05 ブログ読者に会う

通訳の現場でご一緒した方がこのブログの読者でした。過去にも数回ありましたが、うれしいですね。特にすごいことを書いているわけではありませんが、2012年に会社勤務をしながら通訳学校に通い始めてから書き続けているのが他のブログとの差別要因かもしれません。

私が通訳者を志したときに見かけた通訳に関する個人ブログで現在も更新が続いているものはほとんどなくなってしまいました。


背中の青い魚を食べると通訳パフォーマンスが上がるという話が…。
いわし料理専門店の昼。

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2021-06-27 いろいろな仕事

コロナウイルス流行で通訳業務の総量が減り、初めての仕事(顧客や業界)の問い合わせが少なくなったと感じていました。ところが最近になって少し変化を感じています。


意外に多いのが
・2019年までは会場に集まっていた
・2020年はやむなく会をとりやめた
・2021年は初めて遠隔で実施
という流れです。


新しい業界・新しい顧客・新しい現場の仕事がありました。以前からつきあいのあるエージェントから新しい仕事の受注もありました。会議の実施方法がいろいろ変わりつつあるので、会議実施者がいままで使ったことのない通訳運営会社に問い合わせをしているのかもしれません。提案力や運営の経験が以前よりも重要だと感じます。

先日は大手エージェントの手配で遠隔業務を実施しましたが、エージェントの運営が実に手慣れていて顧客も通訳者も安心していられました。実施方法が多様化しているので学習して新しいものを取り入れていくエージェントや通訳者にとって今は一種の機会かもしれません。


以前の勤務地新宿区四谷から2題。

四谷二丁目の「スパイスカレー食堂」はスリランカ料理専門です。

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四谷三丁目の「ココカラ」はいつものようにおいしい。

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2021-06-13 いろいろと教わる

知らないことはいろいろあって、ありがたくも教えてくれる人がいるというお話です。


異なった客先、異なった現場でよく一緒になる通訳者がいます。これまでは客先事務所まで出向く仕事だったのですが、初めてオンラインで組むことになりました。

通訳者相互の連絡をどうしようかとメールで尋ねたら
「LINE の音声通話機能を使っています」
とのこと。そしてその次の説明を読んでちょっとびっくり。
「同時通訳用の Zoom を動かしているPCでLINEも立ち上げてます」
「音声出力は当然PC内部で混合されますから、イヤフォン1セットで聞きます」
「Zoom と LINE の音量はそれぞれのアプリで調節します」
「音声入力は1本のマイクを Zoom と LINE で共有します」


言われてみればそのとおりで、ミキサーもイヤフォン+ヘッドフォンの二重掛けも不要です。あわてずにアプリを画面で選んでミュートや音量調整をすることが課題ですが、これは大画面や複数画面で解決できそうです。


さっそく使ってみましたが、非常にいいです。私の場合はPC2台体制で、
1 本会議室
2 支援(LINE 音声+ビデオ会話、オンライン共有タイマー、メール)
という運用にしました。LINE のビデオ会話だと交代のときに身振りで伝えられるて安心感が増してとてもいいですね。


(おまけ)
Zoom の同時通訳機能を使って複数の通訳者で交代して担当するときには、抜けていく通訳者が次の通訳者の「出席者」アイコンを確認するといいですね。
・ミュートが解除されたか
・言語選択は正しいか(英語だと "EN"、日本語だと"あ" というアイコンが参加者名の右側に表示)
ここで間違いがあれば LINE 音声で伝えればいいわけです。


すでにこうしたことをしている方も多いと思いますが、デバイス1台でもできるというのは「言われてみるとなるほど」でした。

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2021-05-20 60歳になります

ブログの表題は「50歳」なのですが、筆者は今年で60歳になり、通訳で生計を立てています。

いまのところ仕事の種類も少しずつですが広がっていて、いろいろな可能性を感じています。いままでも思いもよらなかった出会いや展開がありました。これからもきっと同じだろうと(勝手に)思っています。

通訳養成機関「インタースクール」の講師が言っていた

(開業後)5年で仮免許、10年で水平飛行

というのはかなり正確に実情を表していると思います。業界で5年ほど活動できれば自分に対する需要があることがだいたい証明されるのではないでしょうか。通訳サービスの買い手にとって通訳者に魅力が少なければ売り上げは伸び悩むはずです。

しかし5年では市場にまだ通訳者が知らない領域が多く残っているように思います。その反対に市場の中でその通訳者に出会えていない顧客もいるはずです。突然の不況や世の中の大事件(今回の新型コロナウイルス流行のような)も経験するには10年程度の時間枠が必要です(1991年のバブル景気崩壊、2000年のドットコムバブル破綻、2003年のSARS流行、2008年の金融危機、2020年の新型コロナウイルス)。

私が開業後10年になるのが2024年3月。世の中はどのようになり、私はまだ通訳業を続けているのでしょうか。


このような状態になる危機はいつもそこに口を開けて待っている…。

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2021-05-19 失速

受注が少なくなったというお話です。

昨年(2020年)のいまごろは受注が急減して不安になっていました。売り上げは3月に2月の数分の1まで落ち込み、4月の月間売上は2017年以来最低額。

しかし2020年5月にやや回復し、そこから7月まで低調、8月からかなり業務量が増え、市場から退場しなくてもよさそうな水準を維持できるようになりました。そして2021年の1月・2月は力強さはないまでも「まずまず」、3月・4月はプロジェクト関係の受注で開業以来月間で1位と4位となりました(交通費や外注通訳報酬を除いた正味通訳報酬で)。


そして5月に再び数字が落ち込みます。だいたい昨年並み。

目先のことで不安になる必要はないことをいままで学んできました。山もあれば谷もあります。翌月(6月)の受注はかなり好調で、このように前月以前から予約が入るのは良い兆しです。通訳者仲間に呼ばれて新しい仕事をする機会もありました。しばらく前に登録して「順番待ち」(件数が減少したので)になっていたかのような顧客からも打診が続くようになっています。


不透明感は常に存在し、不安もあります。それをどう受け止めて何をするかは自分次第の自営業(裁量の幅が大きすぎ、それも不安の元ですが)。


もらってきたときに野球のボールくらいだったサボテン。高さが50cmくらいになって根に近い部分が茶色くなったので「胴切り」(高さを切り詰めて、上半分を植えると根が出る)をした後も元気です。花を付けるまで30年かかりました。それからは毎年複数回咲きます。

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2021-05-10 想像力

「検査の結果、新型コロナウイルス陽性でした」
と言われたとしたら、いっしょうけんめい心当たりを探るでしょう。あのときカフェで隣にいた人か、散歩のときにすれ違ったあのジョギング中の人か…。

通訳業務でも、エージェントから
「お客様が次回から別の通訳者にしてくださいと伝えてきました」
と言われたらやはり過去の行動の棚卸をそれこそ必死ですることでしょう。


なにも起こっていないときに心の中でこのような想定をして「消火訓練」をするのも必要な気がします。まったく心当たりがないというわけにはいかないでしょう。危険なところはいくつもあったのです。その危険を定義して対策を考えると無事に過ごせる確率は高まると思います。


アオサギのアオちゃんとダイサギのダイちゃん。雨で水量が増すと行動も少し変わるようです。

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2021-05-09 JACI特別功労賞

一般社団法人日本会議通訳者協会(JACI)が毎年選定する「特別功労賞」。今年2021年の受賞者は手話通訳者の川根紀夫さんです。

すばらしい受賞コメントが寄せられています。

第4回JACI特別功労賞 受賞者コメント


私にとって通訳の価値、可能性についていろいろと考える機会になりました。


いままでの受賞者(敬称略)

第1回 ダニエル・ジル

第2回 小松達也

第3回 徳永晴美・米原万里