50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2018-01-03 読書

以前に 2014-11-01 言葉を扱うなら という記事を書きました。偉そうに書いたので自分でも読まなくては、と The Emperor of All Maladies (Siddhartha Mukherjee, 2010)を読んでいます。

ピューリツァー賞を受賞し、The New York Times や Time で a top ten book of 2010 に挙げられ、The New Yorker・NPR・The Economist・The Washigton Post でも a best book of 2010 となっています。

読み出したらすぐに引き込まれました。題材も内容も展開もすばらしい。そして文章になんとも言えない味わいがあります。派手さはまったくないのですが、
「このような英文は私にはとても書けない」
という何かがあります。観察や考えの深さ、そして何より先人への尊敬と患者への思いのためでしょうか。

通訳の練習素材だけでは味わえない英語の・言葉の滋味を感じます。

2018-01-02 心身の調子よし

通訳専業になった 2014年03月 から体の具合が悪くて仕事にさしさわりが出たことは皆無です。2016年の正月休みに2日間寝込みましたが、その後はかぜをひいたこともありません。

何でも自分で決めて自分で実行し、その結果が自分に返ってくる。これが健康に良いのでしょう。朝に仕事場に向かうときの気分は企業勤務のときより数段良いのは間違いありません。ケーキやアイスクリームなど砂糖の多いものを 2013 年から控え、アルコールは 2008年末から一滴も口にしていないのもどちらかというと良い影響があるようです。

先人たちの経験のとおり、経験が増えてくると少し先の業務予定も入ってきます。1月はほぼ埋まり、2~6月や9月の業務もいろいろと決まりそう。これは昨年以前にはなかったことです。


いつもの散歩道には正月休みのためか家族連れや犬の散歩をする人が多い。午後の陽が入ってくるときれいです。

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2018-01-01 もっと通訳を

顧客の期待に沿えるよう、通訳技能をまともなものにしていきます。

通訳訓練のありがたいところは複雑な手法を組み合わせる必要がない点ではないかと思います。地道な練習をすることが大切(そしてそれは世の中の多くの「基本」と同様になかなか難しい)。

複数の信頼できる人が指摘することには真実が宿るはずです。

この皆さんが同じことを言っているので、それに従って練習をすることにします。今までも必要性は感じていたのですが、いろいろと理由をつけては正面から本気では取り組んでいなかったのが正直なところです。

もう逃げられない。逃げたら後がない。そんなつもりで取り組みます。


2917年最後の南アジア料理はスリランカの一皿。シンハラ文字のテーブルクロスがかわいいですね。南インド料理店の数では東京に完敗の神奈川ですが、スリランカ料理店は充実してます。「シナモンガーデン」・「ロイヤルグリーン」・「キングライオン」・「マチャン」。

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2017-12-31 感謝に堪えません

この年末で通訳者として世に出て3年9か月になりました。今年も前年比で業績を伸ばすことができました。絶対的な金額はまだ低いのですが、増えているという実感はありがたいものです。

  • 通訳稼働日数 25% 増加
  • 通訳報酬   50% 増加

営業活動・マーケティング活動はまったくしませんでした。完全に受け身、passive です。日数の増加に対して報酬の増加が大きい理由の一つは通訳者仲間が紹介してくれた業務の単価が高かったことです。

  1. 私よりも高い報酬を受けている通訳者が仕事を紹介してくれる。
  2. その通訳者の報酬に近い水準でエージェントに登録することになる。
  3. 報酬増に大きく影響する。

「手ぶらでエージェント登録してはならない」
という貴重な教訓を確認しました。


営業活動・マーケティング活動をしなかったと書きましたが、間接的に自分の存在が知られることはいくつかあったようです。日本会議通訳者協会の会計担当理事として財務諸表の作成や資金管理をし、日本通訳フォーラム2017でも事務を担当しました。日本翻訳連盟のJTF翻訳祭2017では90分枠の講演枠をいただきました。通訳の技能はまだまだでも自分のできることで貢献することはあるのですね。

そして何より大切なのが顧客・エージェント・同席通訳者の信頼を裏切らないこと。通訳者の能力や「人となり」は周囲の人の記憶に実に良く残るものです(意図しなくても)。


振り返ると、なんとか通訳業界に引っかかっていられたのも結局は周囲の人のおかげです。通訳学校の恩師と仲間、通訳学校系列エージェントの暖かい支援、仕事を紹介してくれた通訳者諸氏、新規登録したときに暖かく迎えてくれたエージェント各社。そしてなにより私の通訳に何らかの価値を認めてくれた顧客。すべての方々に感謝を申しあげます。


歩いて前へ。森に入っても、いつかは出る。

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2017-12-30 「あれかこれか」ではなく、「あれもこれも」

通訳学習者の訳出を聞くと
「この人は他人に聞かせる話し方の練習をしたことがなさそうだ」
と思うことが多いですね。

通訳学校で練習を始めたとき、日本語は勤務先の企業で、英語はトーストマスター活動で話していたことが自分にとって財産だと気づきました。

通訳学校の講師が
「『えー』と言わないでください」
と言ったとき思い出したのはトーストマスターの「ah-uh counter」です。スピーチ中の不要な音声を数える担当者がいるのです。

会議で自分の部門の業績や課題を発表するのはわかりやすく話す練習だったと思います。まとまりなく話せばだれも聞いてくれません。


どれだけきれいに話せても正確さがなければ・原文に忠実でなければ意味がないという主張もありますが、話し方の練習は正確さと相入れないものではありません。プロなら
「あれかこれか」
ではなく
「あれもこれも」
していくことになる。

すてきなプレゼントはきれいな包み紙に包んでこそ。

2017-12-29 さらに追い打ち

先日12月に良くないことがいくつかあったと書きましたが、追い打ちがありました。

ささいなことですが、まとまるときにはまとまるものだと妙に感心してしまいましたね。

  • 久しぶりに広々した静岡を自動車で走ろうと出かけたら、暖かいはずの掛川あたりでまさかの雪。引き返したら清水市あたりから快晴で富士山が良く見えたのですが…。
  • どこよりも素晴らしいナンを出すインド料理店「アバンティ藤沢店」に行きました。いつもは経営を心配してしまうほど空いているのに、この日は満席で入れず。こんなことは2008年以来初めて。店を使っていないので駐車料割引もなし。
  • 自動車にわずかにコーヒーをこぼしてしまい、数年前に買った消臭剤(二酸化塩素系)を使いました。消臭剤が変質していてひどいにおい! 寒いのに窓を開けて走ります。古いものはどんなものも使う前に確かめましょう。

こうなると

小難を持って大難を制す

ってことだろうと思うしかないですね。


神奈川県横浜市の西のはずれにあるベトナム料理店「サイゴン」。写真はフォーボー(米粉のうどん・牛肉添え)。香草が別皿でたっぷり出るのはホーチミン(旧称:サイゴン)の様式。ミント・コリアンダーパクチー)・レモングラスにもやしとレモン。以前インドシナ難民定着センターがあったこの周辺のベトナム料理店に慣れると都心の店は若干かすんで見えます。

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2017-12-27 雨降って、さらに降る

今年の12月にはいろいろなことが起こりました。良いか悪いかで言うと、おそらく悪いこと。

もうこれくらいかな、と思ったら、もっとすごいのが来ました。客観的に見たら強烈な一撃。あきれて笑うしかないのかもしれません。

雨降って地固まる

といいますが、雨が降って、さらに大雨。

それでも淡々としていられるようになりました。通訳者になって生計を立てようという大きな賭けに出た経験からかもしれません。気をもんだり恨んだりしてもしかたがない。通り過ぎたことは変えることができない。

幸い心身には影響なし。カネは働いて取り返せばいい。

それに、通訳者仲間からは良い話も聞くことができましたし。


晴れるとひときわ良い気分です。いつもの道すがら。

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