難しそうな同時通訳では聞いた部分から即座に訳出していくほうが安全だろうというお話です。
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BBC の World of Business を同時通訳の練習素材として使いました。進行役の David Baker の語りが難しい。明瞭に話すのですが、密度が濃く同時通訳がすぐに遅れがちになります。
それでは意味のまとまりごとに手短な訳を出して追いつこうと思ったのですが、この方策はうまくいきませんでした。
1.速いので手を出しあぐねる。
2.文の展開がわかりかけたところで訳出を開始。
3.手短にまとめようとしてもそれと同時に音声はどんどん進む。
4.やはり遅れてしまう。
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まとめて訳そうとすると「まとめる」負荷が発生し、それが同時通訳の忙しさに重なってしまうようです。
「これは手ごわい」
と感じたときには発言にぴたりと付いて離れないようにするほうが訳を出せる確率が高くなりますね。なにをいまさら、という気づきですが、手短にまとめれば何とかなりそうだというのは「悪魔のささやき」である確率が高いようです。
追いつけないものをまとめられるはずがない。
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日が傾いて黄金色になる瞬間が好きです。