言語の運用能力こそが大切だと説く人あり。
関連知識が欠かせないと強調する人あり。
でも、おそらく通訳者は皆わかっていると思うんです。
「すべて大切」
「通訳は究極の合わせ技」
強力な文法解析力がなければ聞いたそばから理解はできませんし、自然な表現がなければ訳が聞き手に伝わりません。
そして、その言語能力に乗せるのは話者に納得してもらう内容でなければなりません。
文芸でも技術でも、通訳者の脳裏に話者の考えが映らないと通訳が追い付かなくなります。
「同じ考えを呼吸する」
かのような感覚があればうまく運びます。そのためにはどうしても通訳対象の知識が必要です。
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最近の仕事で知識・事前準備の重要さを改めて思い知りました。基礎知識と数日間の詰め込み準備がなかったら通訳の品質は相当程度低下していたと思います。
単純な例を挙げれば、用語の読み方だけでも話者の信頼を得たり失ったりします。企業勤務時代に「貸倒引当金」を「たいとうひきあてきん」と読んだ方がいました(通訳者ではありません)。
「ああ、この人は経理にはくわしくないな」
と一瞬で思われてしまいます。
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麺類な日でした。