通訳に大切なことはいろいろあるだろうというお話です。
▼
民間通訳養成機関インタースクール東京校(株式会社インターグループ経営)に通ったのもかなり昔のことになりつつあります。ついこの間のように感じますが、2012年4月~2015年3月ですから、修了後5年以上経ってしまいました。
▼
大変お世話になった講師の口癖が
「通訳者に必要なのは英語力だけ」
でした。
この発言は文脈を考えて理解する必要があります。
・日本語を母語とする者が
・英語を第二言語として学び
・日英通訳者を志望するとして
・英語の運用能力が日本語と完全に同じということはまずない
・通訳では日英の言語を使う
・したがって決定的な弱点は英語力であることが多い
という流れから出てきた言葉です。
「それでは専門知識(背景知識)はいらないのか」
という疑問を持つ人もいるのですが、言語の運用能力と周辺知識とは比べられるものではないと思います。この講師も通訳の準備として入念に話の内容を研究します。それはあたりまえ。
言語運用能力と周辺知識は両方必要です。それだけではない。顧客や同僚の信頼を得るような態度も、エージェントに自分の希望や要求を伝える表現力も、移動や長時間の準備に耐える体力・精神力も必要です。
あれかこれか、では済まなくて、あれもこれも要求されるのがプロ。
▼
この講師がある日言っていた
「話者にどれだけ寄り添えるかが(通訳の出来を決める)」
ということばも、「なにより英語が大切」ということと矛盾するわけではないと思うのです。
同じ客先に毎週2回通う仕事を数週間担当することがありました。内容に親しみ、発言者の考えがわかってくると「話者に寄り添う」意味がなんとなくわかってきます。
▼
ベトナムのフォー(米粉の麺)には別皿で野菜・香草が付きます。横浜市泉区の「サイゴン」では新鮮な香草がたっぷり。