ときには大きな会場で通訳をすることもあります。「箱入り」(ブースに入る)の同時通訳ではなく、発表者と並ぶ逐次の場合には目の前の人の海や立派なスタンドマイクロフォンに圧倒されそうになるかもしれません。
でも、聞いている人がひとりのときと仕事は変わらないのですね。聴衆が多いから・スポットライトを浴びるから・カメラを向けられるから「すごい」仕事というわけでもありません。話者が伝えたいことを、聞き手がわかりやすいように出していくだけ。
著名な飲食店で調理をする人の話を読んでそう思いました。
「目の前の料理を最善を尽くして作るだけです」
食べるのが貯金をして緊張しつつやってきた客でも政財界の有名人でも関係ないのでしょう。