通訳エージェンシーから様々な業務照会をいただきます。ありがたいことです。
ときどき今までの経験から少し外れるものもあります。聴衆が多くなったり、話者が著名だったり、公開だったり、専門の程度が高くなったり。
引き受ける旨返答するときに少し勇気が必要です。
「おい、自分よ。本当にこれを引き受けるのか」
この自分に対する問いの答えはほぼ必ず
「引き受ける」
です。
照会をしてくるエージェンシーは私の「器」を大きく超えた仕事の打診をしてこない(はず)。そして、自分にとって安心感のある「居心地の良い」仕事を続けていくと、やがては通訳者としての成長が止まり、なにより自分に対する一種の背信行為につながると思うのです。
背伸びする必要のある仕事なら背伸びすればよい。腕を広げる必要があるなら手一杯に広げればよい。その後は神も総覧。結果は自分で引き受けるまで。
幸運なことに今年もいくつか自分を試すような仕事に恵まれました。なんとかなったものもあり、なかなか厳しかったものもあります。職業通訳者ですから、お客さんが首をひねるようなことは厳に避けなければなりませんが。どのような職業にも、手堅く取り組みつつも冒険せよ、という矛盾した要求はあるはずだと思います。
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最近少しご無沙汰です…。
東急世田谷線に生まれて初めて乗りました。ヨーロッパの市街鉄道みたいですね。