50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2023-05-02 真実はたぶんその間にある

あれかこれかの議論のとき、現実に当てはまるのはその間のどこかだろうというお話です。


通訳者があまり口を開かない仕事がときどきあります。しばらく前の1年間は面白い年度で、通訳者が音声を出さずに終わった仕事が6回ありました。その後しばらくそのようなことがなかったのですが、今年 2023 年に再び「仕事しないのが仕事」という日が複数ありました。


通訳者が完全に黙っているわけではなく、実際の通訳提供時間がごくわずかにとどまる日が月に5日ありました。
A月M日 午前・午後待機のみ
A月N日 午前・午後待機の後、12分ほど通訳

A月X日 午後現場に入り、夕方に40分ほど断続的に通訳
A月Y日 午前・午後・夕方と待機のみ
A月Z日 午前に移動、午後45分間会場で過ごすが結局待機のみ


・準備をしたのだし、通訳の必要があるから手配したはずなのに出番がないとはけしからん。

・仕事をしなくて報酬がもらえるのだから大歓迎

という両極端の考え方があろうかと思います。私はどちらかというと後者に近い立場を取ります。この月は上記のように2回、計5日間ほとんど出番のない仕事に出ましたが、心穏やかに過ごせました。「通訳が必要になるかならないかわからないが、とりあえず手配」というときに呼ばれていくのも立派な仕事だと思っています。役務の提供をすれば瑕疵担保責任も生じます。何もしなければ失敗したり非難される危険も完全に回避できます。


しかし、こんなことばかりでは顧客に通訳者の価値を印象付けることはできませんし、通訳者としての現場からの学びもほとんどありません。出番がない日はごくたまに「息抜き」として存在する程度が良いのでしょう。


貸し会議室で2回線使用の同時通訳。


東京駅八重洲口近くの「ダクシン」はまもなく閉店して大手町に移転再開。

 

ツツジは例年より早く咲いたようです。