50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2020-05-24 求められる資質・態度は変わらない

遠隔同時通訳(RSI)でも通訳者に求められる資質・態度は変わらないというお話です。


複数日の3人体制遠隔同時通訳を実施しました。通訳者は自宅から参加です。通訳者相互の連絡経路としてチャットアプリを使いました。通訳者仲間が
「日常使わないアプリを使いましょう」
と提案してくれました。たとえば日常 LINE を使っているなら WeChat 等を使うのです。そうすると業務外の着信がないので気が散りません。他の人の意見は本当にありがたいものです。

数日にわたって通訳者相互でずいぶんメッセージを交換しました。通訳の内容や用語の確認、主催者に依頼する事項の事前相談、RSI プラットフォーム機能についての相談など。RSI ではチームとして価値を届ける姿勢がいっそう重要になるように思います。

業務が始まったら、不具合や環境の不自由を嘆いても価値は生まれません。できることは他を責めずに周囲と協力して切り抜けるだけです。つまり求められる姿勢は会議室での通訳の場合と何ら変わりません。


あまりなじみのないプラットフォームを使う場合には、ひととおりの使い方を習うだけでは心もとないこともよくわかりました。事前のストレステストは必須だと思います。コンピュータを誤って再起動したらどのように再接続するのか。ネットワークが一瞬切断したら画面はどのように見えて、何をしなければならないか。自分の次の通訳者がネットワークから「見えなく」なったらどうするか。

起こり得る事象とそこからの復旧処理を紙に印刷しておくのも効果的です。あわてたときこそ落ち着いて順を追って操作すべきですから。


もう一つ気づいたのが、通訳者仲間には Mac を使う人が意外に多いことです。個人用コンピューターの OS シェアだと Mac は 10% 程度のはずですが、通訳者仲間を見るとこの倍くらいあるかも…。遠隔同時通訳で新しいプラットフォームやソフトを使うときには仲間も同じ OS のほうが安心ですね。Mac を使っている人は Windows を使っている人から
「USBマイクを認識していないけど、どうしましょう」
と尋ねられてもお手上げでしょうし…。


曇り空の散歩道。ウグイスやホトトギスシジュウカラがにぎやかです。

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