歴史は繰り返しますが、まったく同じということはありません。時代に即して変わる点が必ずあるはずです。
もうずいぶん前になったように見える2008~2010年の金融危機のときに通訳の発注は激減しました。当時のインターネットコミュニティでのやりとりでは
「フリーランス翻訳・通訳を志望するのはやめておけ」
という意見が多く出たそうです。
そんなことなど知らずに通訳学校に通って2012年くらいに通訳の仕事を始めた人は仕事量が年々急増するのを感じ取り、しっかりと現場を収めることができれば数年のうちに平日のほとんどが仕事で埋まるようになりました。
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そしてコロナウイルス禍がやってきます。来日する外国人を対象とする通訳業務は消滅しました。いっぽう放送通訳や在日外国人を対象とする通訳の需要にはほとんど影響がありません。
今また
「通訳者になろうと思うが、どうか」
と問えば、相手によって答えは違うことになるでしょう。
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ひとつ確かなことがあります。
・自分のしたいことで
・自分のできることで
・周囲の条件が許し
・生計が十分に成り立ち
・たいていのことでは業務量が減らない安定性を持ち
・将来性もある
そんな仕事はたぶんありません。条件のどれかは譲って折り合いをつけることになります。
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だれもいない国際空港。昼の 12:26。