50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-07-04 仕事場での「おさまり」

以前なんだかとても楽しく通訳ができた現場に再度伺いました。先方も楽しみにしていたようで、暖かく迎えていただきました。通訳を使うのに慣れていない初参加の発言者に
「こんなふうにすると良い(正確に通訳してもらえる)らしい」
と伝えていただくことができました。ありがたいことです。

ところが…。いざ始まると皆さん考えの区切りまで一気に話します(逐次)。事例を挙げる部分とそれに対する考察とを続けて話す。通訳者を信頼しているのか、何も考えていないのか(たぶん後者)。最近逐次を重点的に扱う授業でいじめられた鍛えられたので、講師の教えが身に染みます。
「あらん限りの誠実を尽くし、元発言に忠実であれ」

「語ではなく、メッセージを訳せ」
という話を良く聞きます。これは手法ではなく結果のことを言っているはず。
「(細かいところは拾いきれないから)メッセージを訳そう」
というのは危うい。通訳者の主観で元発言を汚染する(contaminate)恐れが常にある。

元発言の一語一語の意味を汲み取り、話者の精神世界を通訳者の内部で再現し、内容を押さえたうえで最も効果的に「メッセージ」として届けるのが理想的なのでしょう。

難しすぎてできませんけど…。


通訳の現場には必ず複数の人がいますから、その組み合わせで生まれる雰囲気が毎回違いますね。

いままでに3回ほど呼んでいただいた産業施設があります。初日は専門職として敬意は払ってもらえたものの、ほとんど「equipment」あるいは「石」でしたね、私。

その次になるとわずかに人間として扱われてきます。

居酒屋や喫茶店みたいなもので、数回通うとどこかで何かが変わって自分の居場所ができる気がします。通訳者が顧客に節度をもって丁寧に接し、顧客の業務・立場を尊重することは大切だと思います。そうすればそれなりに扱ってくれるようになるのではないでしょうか。