50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2018-09-06 聞こえなければ訳せません

以前に

2018-07-22 顕著な効果--音取り用パナガイド

という記事を書き、通訳者が送信機・受信機で話者の声を聞くお話をしました。

先日3人体制で簡易同時通訳を担当しました(送信のみ機材使用)。ご一緒した通訳者のお1人はブルートゥースBluetooth)の小型マイク付き送信機と受信機とを持ち歩いていらっしゃいました。もう1人はパナガイドがバッグの中に。私もパナガイド。3人全員が「念のため」に自分の耳に音を入れるための機材を持ち歩いていました。「音取り機材」の使用は確実に広がっていますね。

エージェンシー経由の業務の場合には勝手に機材を持ち込んで使うわけにもいきません。本来はエージェンシーが見積書に含めて有償で提供するものです。通訳者が勝手に持ち込んで使うと困った前例になりかねません。
「この前来た通訳さんは受信機を使ってましたけど?」
というふうに…。


私が使ったときには現場を見て
「これではとても丸腰では聞き取れない」
と思い、エージェンシーの担当者に自前機器使用の可否を尋ねました。客先に事情を説明して円満に使うことができ大変助かりました(機材なしだったらとても聞き取れなかった距離でした)。


しかし、最も重要なのは機材やその周辺知識ではありません。気軽に相談できる関係をエージェンシーや顧客、同席通訳者と築くことが第一ではないでしょうか。周囲を巻き込んで
「さほど費用をかけずとも、もっと良い方法がありますよ」
と少しずつ広めていけたらと思います。


この方面は初めてでした…。

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