鳥飼玖美子著「通訳者と戦後日米外交」を読んでいます。
博士論文として英語で書かれたものの邦訳というか、著者本人による日本語書き下ろしですね。
学術論文としての取りつきづらさは冒頭わずかに感じるのですが、論文の中核をなす日本人通訳者からの聞き取りになるとぐっと引き込まれます。こんなにおもしろい読み物とは思いませんでした。聞き取りの対象は西山千・相馬雪香・松村増美・國弘正雄・小松達也。自ら通訳者である鳥飼博士ならではのインタビューの再現で、通訳黎明期の達人たちの考えや行動が紙面から立ち上がってくる気がします。
この1冊を読めば、雑誌やウェブサイト、ブログ記事を1年漁るよりも得るものはずっと多いだろうと思いました。
読書をして散歩をする。