技術の進歩は速いだけではなく加速する、というお話です。
▼
日本会議通訳者協会が3月・4月に多くの遠隔セミナーやワークショップを主催しています。件数はすでに20ほど。内容はアートの通訳から通訳サービス見積書の書き方、消費税・源泉税の扱い、そしてITシステムを使った通訳支援、5G通信サービスなど多方面にわたります。
表題の CAI (コンピューター支援通訳)のセミナーに参加して大きな刺激を受けました。講師役は米国人の英日通訳者で、米国でも通訳業務の経験をしています。英語環境で仕事をすると通訳関連の最新IT技術情報が豊富に集まってくるのですね。
▼
論文を読み込ませると固有名詞を抜き出す機能、音声を流し込むと事前に用意した訳語集にある語をリアルタイムで表示する機能、音声の数字を検出してリアルタイムで数字を画面に出す機能。日英両方の文章がある場合にはそれぞれから指定した単語や表現を対にして訳語集に入れていく機能(選択は通訳者がおこないます)。画面で実際の動作を見せてもらうと理解が進みます。
新しい分野は自分で調べるよりもこうして他人から(それも自分で試行錯誤した人から)説明してもらうと楽ですね。
翻訳には翻訳支援ツールがありますが、通訳もこれからツールを使っていくことになる予感がしました。
▼
「でも、いままでだってちゃんと通訳できているし」
という声もあるかもしれません。
はい、パーソナルコンピューターが一般化する前から経理も給与計算もありましたし(私も電卓で損益計算書作ってました)、携帯電話がなくても営業担当者は外回りして、スイカやパスモがなくても電車に乗ってました。
▼
芽が出ます。