日本では会議通訳者の定義がはっきりと共有されていないようです。
EU諸国は各国語を使って会議を常時行っているので通訳の動員数も予算もすごいことになっています。
会議通訳者をヨーロッパ式に最も狭く定義すると
・2つあるいはそれ以上の外国語から母語に訳す(一方通行)
・逐次通訳と同時通訳とができる
・各国の代表者が出席する会議で通訳する
ということになるらしいです。日本の通訳学校を出てこの仕事をしている人はいるのでしょうか…。
日本にあてはまるよう、もう少し広くとらえると、
・2つの言語を往復で通訳する
・逐次通訳と同時通訳とができる
・各国の代表者が出席する会議で通訳する
ということになりそうです。
ですから、皇族や王室の訪問・各国首脳のスピーチ・上場企業の決算発表・外国ニュースの通訳は「会議通訳」の枠外。
複数の通訳養成機関が「会議通訳科」を開設していますが、修了してから狭義の会議通訳をするまでには最低でも数年を要すると思います。
この定義の会議通訳者は日本に何人いるのだろうと考えてしまいます。
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国際会議通訳者協会(AIIC)に所属しているのは 90 カ国で 約 3,000人 です。かなり少ないと感じます。AIIC は会員資格(会員の推薦が必要)や通訳委託の契約の方法、執務倫理規定などかなり詳細に規定しています。ヨーロッパ伝統の同業者組合的色彩が強いですね。日本での医師会や弁護士会のような感じ。
各国の財政が厳しい折、通訳も聖域ではありえず、費用下げの圧力がかけらているという報道を聞きました。英米的な自由市場の考えが入ってくると変化は避けられないのではないかと思います。