50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2015-03-22 正しからざることに与するな

以前の勤務先は社是を掲げていました。条文は三つ。第一条は

正しからざることに与するな

です。ただしからざることにくみするな。正しくないことに加担してはならない。

ごく単純ながら、行うは難い。それを創業者は見抜いていたのでしょう。製造物記録の偽造といった事件を聞くたびにこの社是を思い出してきました。たった一人でも
「これって、しても良いことなんですか」
と疑問を呈し、それに呼応する声があれば企業の屋台骨を揺るがす事件にはならなかったはずです。

 正しいか正しくないか。経営判断や技術の見通しでは難しいことでしょう。しかし、
「これをしては、人の・会社の道を外れる」
ということは誰にでも見抜けます。米国の映画にあった場面ですが、
「君、それを自分の子に堂々と説明できますか」
という試験をすればすぐにわかるのですが…。

見て見ぬふりをする。何もできない、何も変わらないと言って関わるのを避ける。その危険について TED にすばらしい講演があります。そろそろ1年以上も折に触れ聞いています。ぜひ聞いてみてください。
The dangers of "willful blindness"
Margaret Heffernan