以前に紹介した演奏者のブログを読んでしみじみしてしまいました。
少しづつしか変わっていけないからこそ、具体的に、今どうするのかを決めるのはとても大切なことだと思います。
(Mes chéris ~ピッコロとフルートと~)
これは通訳訓練にもそのまま当てはまるのではないでしょうか。
「うまく訳せない」
というのは入門者から大ベテランまでが等しく持つ気持ではないかと思います。ここで思考が止まってしまっては進歩が難しい。「うまく」訳せるようになる秘密の方法は、おそらく存在しない。
それでは、今日のこの時間に何をするか。
イメージを頭に描くのは大切だと思います。
上記ブログの著者は「チョコレート・フォンデュな音」を思い描いていますが、私も通訳にあたって自分の発話や聴解に同様のイメージを考えています。
具体的でわかりやすい経験の例として英語の p の発音がありました。以前に米国人から
「あなたの p は弱い」
と言われたことがあります。別の機会に英国人から b について指摘をいただいたこともあります。
複数の人に同じようなことを言われた場合は 危機! です。
シャボン玉がパチンと割れる様子を思い描いて音を出すようにしてみました。破裂音だからと力まずに軽々と、しかしくっきりと音が鳴るように。
いくらかの改善はあったようです。
こうして p/b がまともになると、他の音の粗が目立つので、それをまた改善。通訳訓練の合間に少し発音の練習をすると気分転換になっていいですね。
もちろん通訳の心臓部分である聞き取り・理解・言語変換(これはすべてが混沌としていてよくわからないんですが)の練習が大切。ここでも何か小さなとっかかかり(handle)を見つけて取り組みたいものです。