以前に日本の首相官邸サイトの動画を日英(JE)通訳の材料にするお話を書きました(2012-10-09 日英練習)。この他にも内閣官房長官の定例記者会見があるのですね。いずれも記者に聞かせる前提で原稿を読むので端正な日本語です。そして情報密度がかなり高くなっています。ゆっくりな語りながら通訳してみると難しいという好例ではないでしょうか。小籠包みたいですね。ぱくっと食べると熱い汁が出てくる…。
英語サイトに切り替えると英訳音声も聞けます。様々な通訳者の個性が出て興味深いですね。
毎日ですから、内容について必ずしも準備できるとは限らないのではないかと想像します。政治家と担当通訳者との人生は本来だったら交差することはなかったかもしれません。それがこの一点で出会う。通訳という仕事の不思議を感じます。
そして、その交差した場・時に最善の役務を提供する。
「えー?それはできません…」
「言ってることわかりません」
「…(沈黙)」
というわけにはいかないのですね。
中にはとんでもないことを聞いてしまうときもあるかもしれません(前東京都知事が尖閣諸島の買い取りを提案する話には通訳者(永井鞠子氏)が驚いたとか)。
授業でも「臨む」という姿勢を忘れないようにしようと思います。