まだ会社勤務をしていて通訳学校に通い始めたころ、通訳者のブログや通訳学校のインタビュー記事を見つけるたびに読んでいました。
通訳者として世に出る際に幸運な機会を得た方もいます。
「いいなあ…」
と思ったのですが、自分にも似たようなことが数年後に起こりました。
「努力をすれば報われる」
というほど世の中思うようにはいかないのですが、
「太陽の下、新しいものはそうそう現れない」
というように、珍しいことでも意外に身近に訪れることもあるようです。
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そんなブログの筆者と仕事でご一緒する機会があり、通訳技能について気になっていた疑問をぶつけてみました。回答がいままでに聞いたことのないお話で強く記憶に残りました。
翌日から通訳中の精神活動に少し変化を感じます。訳出が一晩で変わるほど世の中甘くないのですが、通訳者の心の内では
「ああ、なるほど。こういう感じもあるのか」
と今まで気づかなかったことに驚きます。
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話の大筋をつかみなさい、語ではなく意味を訳しなさいと各通訳学校の講師は異口同音に言いますが、そうすると通訳者がどのように感じるようになるのかは講師が伝えられない部分だろうと思います。けん玉やさかあがりの得意な人がそれがどんな感じかをうまく伝えらないようなものかもしれません。
今回私が気づいたのは
「何か質的な違いもあるかもしれないが、程度の違いも大きい」
ということ。注意して聞くのに何か特別な方法があるわけではなく、注意の度合いを高める必要もある。がんばりだけではうまくいかないことも多いのですが、だからといって「あと一歩」をなんとかして進もうという心構えがないとわからないことも多そうです。
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出張の都度出向く店1.研究熱心な日本人店主が丁寧に作っているのが食べるとわかります。
2 この店は菜食です。パニール(未発酵カッテージチーズ)のカレーとダールマカニー(豆カレーバター風味)。今回改めておいしさに感心。隠れた名店。