50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-06-24 話のまとまり・誤りからの立ち直り

通訳学校の授業で沈黙した話を書きました。

難しかったのは、話者が1つの話題から次に移るときにほとんど目印を出さないことではなかったかと思います。

話者は手元のノートを見ながらどんどん話していく気配で、話題の区切りがわかりにくい。通訳者は頭の中の黒板に話者の考えを描写していくのですが、
「ハイ、では次は▲▲の話に移ります」
という情報が(明確に)入ってこないので、すでに黒板に書いた内容と次の情報との位置関係を見失ってしまいました。

まとまりごとの区切りは非常に重要です。これなしには内容の理解・訳の構成ができません。場合によっては通訳者が訳出に際して原文に存在しない接続詞等を補うことも必要でしょう。


「あれ?」
「しまった!」
と感じても即座に立ち直って傷を最小限にしなければならないのですが(damage control)、今回は
「話を見失ってしまった…」
という衝撃から立ち直るのに時間がかかりすぎました。

通訳に必要な特性として「立ち直りが早い」ということは複数の通訳者が挙げています。これは
「今日はあそこで失敗したけど、明日はまた新しい日だ」
という1日単位だけではなく、秒単位の立ち直りも含んでいるのですね。