通訳学習仲間(私の通っている通訳学校外)と話をしていて、
今後の通訳者養成は(AKB48のような)アイドル育成型の傾向が強くなるってこともあるかもね
という話が出ました。
最近は小学校から大学までのどこかの期間を国外で過ごす日本人が増えています。私の以前の勤務先でも外国勤務になり、子を勤務国あるいは他国(米国が多い)に通わせる例が複数ありました。
外務省発表の海外在留邦人数調査統計によると、2014年のアメリカ合衆国だけで在留邦人数は40万以上で、依然増加傾向です。
そうした在米邦人の子のかなりの割合が日本に戻ってきます(数字は調べませんでしたが、企業派遣の場合には帰国する場合が一般的)。
優秀な通訳者の候補数は増加しているように思います。
大手通訳学校の受講者の声や修了者のインタビュー記事などを読むときに気づくのですが、英・米・加・豪といった国で教育を受けた人が多数派ですね。内外の有名大学を卒業している人も目立ちます。
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企業の合理的行動は
- 費用を最小にして
- 売上・利益を極大化する
ことですから、通訳学校が自社系列の通訳派遣事業の一部である場合、経営方針の一つは
- 将来性のある受講生を他社に先んじて獲得し
- 通訳者を志望する受講生に
- 効率の良い訓練の機会を与え
- なるべく早く稼働させて
- 市場シェアを拡大する
となることは容易に想像できます(他方、幅広く多くの受講生を集めて長期間通ってもらい学費収入を極大化する、という経営戦略もありそうです)。
通訳学校の経営にも苦労が多いだろうと想像します。平日の稼働率が低いにもかかわらず多くの教室を家賃の高い場所に確保し、冷暖房費・照明費を負担し、忙しい通訳者を講師として確保し、インターネットの普及で選別が厳しくなった消費者(受講生)に夢を売り要望に応える。
だから良い素材(受講生)を厳選して訓練し、なるべく早く「稼ぎ手」(通訳者)にしたい。受講者は若いほうが(1)学習効率が高く (2)実際に通訳者になる確率が高く (3)修了後の稼働期間が長い のはまず間違いないところ。
こう考えてみて、
「アイドル養成型って今後の通訳学校事業モデルに合うかもね」
という話になったわけです。志望動機の強い人を集め、商品価値が高くなりそうな人を選考し、通訳者になるつもりのない人・なれそうにない人にどんどんお引き取りを願って絞り込んでいく。スリムな経営を考えるならこの手じゃないかと。もっとも、一定の規模がないと学校の継続ができない(知名度がないと人が集まらない、等)のも難しいところですね。
以上すべて私の机上の想像ですが…。
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え、私ですか?
若くない・英語苦手・今後の稼働期間短すぎ…。
うまくいく確率が低いのは良く考えました。全力で努力するいっぽう、芽が出そうになければさっさと退場することも考えましたよ。訓練には熱く、将来を考えるときは冷静にという「二重基準」をしっかり維持するのは私の場合必要でした。
自分たちの老後は自分たちで面倒みなければね。お金も時間も大切。