「できるひとはできちゃう」というお話です。
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やや急な呼び出しで通訳の現場に向かいます。ひょっとすると担当することになっていた通訳者さんの都合が急に悪くなったのかもしれません。
同時通訳で社内通訳者さんと組みます。
訳を聞いてびっくりです。なんとなく聞くと話者の言ったことを取捨選択なくひたすら訳出しているようなのですが、実は瞬時の理解が正確で「何をどう出すか」の判断が行き届いています。それでいて余計な味付けがない。情報量の多い語りをここまで瞬時の判断を生かして通訳しているのを聞いたことはあまり記憶にありません。いわゆる
「同業者の顔が青くなる」
通訳者さんです。
大学院や民間の課程で通訳訓練をしたことはないとのこと。世の中ときどきこうした
「自分の才能というサーフィンボードの真上に立っている」
人がいるものです。
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通訳学校時代の私の恩師はこんなことを言っていました。
かつての受講生と現場に出ることにしている。
キラキラした新進の通訳者と仕事をするときに感じる
「ああ、私なんか一瞬で周回遅れにされそうだ」
という一種の危機感。これを感じないと通訳者人生はゆっくりと敗北に向かうのだろうと思います。
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少し増えた体重が戻らないのはキミのせいかね?