50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2018-04-23 貴重な資料

通訳について有用な情報がぎっしり詰まったブログが始まっていました。職業通訳者ならではの記事です。

Interpreting 2.0

学習者にも役立ちそうですが、通訳者が読めば得るものはとても多いと思います。


そして、学習方法について詳しい説明をしているのが以前にも紹介した以下のブログ。

高田先生の中国語お悩み相談室


情報源としての通訳関係のブログは上記2つがあれば足りそうです。私のブログは一種の日記であり、一通訳者の経歴を追う参考程度です。実用面では上記2つに比べるべくもありません。


大田区大森の「ハンディ」はネパール・インドレストラン。この店ではバターチキンにナンといったおなじみのカレーセットではなく、「ガチ」のネパール料理をおすすめします。写真は「カジャセット」。おやつや酒の肴という位置づけです。中央は米のフレーク。

f:id:shira-j:20180422120755j:plain

2018-04-20 なるようになった

昨年末から業務引き合いが好調でした。3月は月間売り上げが開業以来歴代2位を記録。

ところが4月でやや失速。数日分の仮押さえとなっていた業務が消滅したのが痛かったですね。しかしぽっかり空いた日程にその発注元エージェントが他の物件を持ってきてくれました。こういうのは本当にありがたくうれしい。ああ、こちらの事情を見てくれているんだと感じます。

そして他の駆け込み案件もあり、最終的には4月もかなり良い月になりました。あまり不安になっても良いことはないですね。


しばらくぶりに西新橋のインド料理店「グランドダージリン新橋店」に行ったら
「お久しぶりですね」
と声をかけられました。商売はこうでなくては。この店ならではのダールマッカニー(バターを使った濃厚な豆カレー)がおいしいですね。昼の忙しい時間帯でもナンは上手に焼けていました。

2018-04-18 通訳を聞く人の負荷を真剣に考える

英語話者の音声を私が日本語にし、その音声を他の通訳者が別の言語に通訳する。いわゆるリレー同時通訳。これを経験すると通訳音声を聞く人の負担を改めて考えます。

聞き手が訳出言語(日本語)の母語話者(日本人)だからこそ低品質の日本語を「投げつけて」しまっても理解していただける。解釈をどれだけ聞き手に「丸投げ」していたかを痛いほど思い知りました。

この点については以下に紹介する上谷覚志さんの記事に加えることは何もありません。すばらしい読み物ですのでぜひどうぞ。

リレー通訳について (ハイキャリア ウェブサイト)

ただ通訳という仕事の厳しさは、たとえどのような条件、状況であったとしても聞いている側からすればきちんした訳出を安定的に期待されることにあります。 


通訳はこのような細い道を行くが如し。

f:id:shira-j:20180417221327j:plain

2018-04-16 うれしい再発注

しばらく前に初めて担当した顧客の業務の打診がありました。できるかぎりのことをしますが、顧客が私の通訳に価値を見出すかは顧客の判断です。
「ああ、あれでよかったのだ…」
とかすかに安心します。

初めて外国の顧客から直接受注した通訳業務の再発注もありました。これはうれしい。いろいろと自分で打ち合わせをするとエージェント各社の苦労もよくわかります。プロを名乗るときの一つの基準は「すぐに見積書を提出できるか」にあると思っています。自分の売るものに値段を付けられてこそ商売人。人・機材・資金・情報・時間をどれだけ投入する仕事になるのかがわからなければ値段を付けられません。

後になって論争になりそうな点をなるべくふさいでおくのも大切です。出張旅費やキャンセル条件、支払い条件など。幸いこの顧客は打ち合わせもしやすく支払いにも問題ありませんでした。


いつも横目で見ていた店に初めて入りました。地味な外観ながら内装は清潔で落ち着いています。調理も丁寧。鶏+ナスのカレー、野菜カレー、マライティッカ(辛味のない鶏ロースト)、チキンティッカ(スパイス鶏ロースト)にナン。青の陶器がすてき。

f:id:shira-j:20180414213137j:plain

2018-04-15 燃え尽きる寸前だったのかも

通訳学校 2017年10月期の後半はかなり忙しく過ごしました。土曜・日曜・木曜と1週間に5クラスで講師をしました。

会社勤務から転身して通訳者になったこともあり、基本姿勢としては
「なにごともまず実際に行動してみなければわからない」
「先方からいただいた話はありがたく受ける」
というものでした。

しかし、体はひとつ。無理というほどではありませんが、通訳業務の準備や出張と重なってかなり厳しい週があったのは事実です。

通訳も講師もたいへん取り組みがいがあるので、かなり「燃焼」して少し疲労が出たようです。春からは取り組み方を少し変えて通訳業務にしっかり取り組めるように段取りました。


通訳学校でお世話になった講師はフリーランス通訳者について
「5年で仮免許、10年でなんとか1人前といえます」
と言っていました。他の通訳者からも最近
「能力があってもフリーランスで15年続けていくのは数パーセント」
と聞きました。通訳技能だけではなく、家庭の事情や通訳市場の変化も大きな要素です。そしてなにより顧客が買おうと思うサービスを継続して提供できるのかどうか。

2014年3月5日に初仕事をしましたから、今年(2018年)は「仮免許」取得の最終段階です。慎重に、それでも思い切って。気楽に、しかしなまけずに。急がずに、しかし止まらずに。


涼しい山沿いでは八重桜が満開。

f:id:shira-j:20180414205633j:plain

f:id:shira-j:20180414205716j:plain

2018-04-13 朝には元気になる

だいたい前日までは気分が晴れません。どのような仕事でも安心して現場に入れることはありません。慣れた場所でも人と話とが新しいことがある。何度も通っている顧客でも部門が違うと別の会社かと思うほど違う。資料が多ければ十分に目を通すことはできません。会議室に入ったらテレビ局が入っていることもあるし、会談の相手側が連れてきた通訳者が「伝説の」通訳者ということもある。同時通訳のブースでイヤフォンから流れ出る音声がものすごく速かったり謎の英語だったりすることもある。

それでも不思議なことに当日の朝になると
「なんとなく、今日もなんとかなるのではないか」
という気分になります。起きて身だしなみを整え支度をする。階段を下りて電車に乗る。この日常の営みが良い影響をもたらしてくれるかのようです。

幸運にもこれまで真の意味での大失敗・大事故がなかったためかもしれません。父親が働いていた重工業の現場では数は少ないものの悲惨な事故がありました。朝元気に工場に出かけ、それが家族と過ごした最後になるということもありえたのです。私の勤務先でも業務上の災害で手足を失った人がいました。

不謹慎ながら心のどこかに
「訳が出なくったって、顧客に苦情を言われたって、最悪でも出入り差し止めになってエージェントとお別れするくらいのものじゃないか」
という思いがあるのかもしれません。

この意識と仕事で最善を尽くすこととは全く矛盾を生じません。できるだけの準備をし、あらん限りの誠実を尽くす。その後のことは通訳の神様のみが知る。


ぐんぐん伸びよう!

f:id:shira-j:20180412113500j:plain

2018-04-12 変な英語を話さないように

主に日本国内で日本語を使う環境で育った通訳者は外国語に弱点がある場合がほとんど。

両言語共にほぼ完全に使える人(日英両方で修士論文や博士論文を書き、面談ではどちらの言語が母語か外部から判断がつかない)はかなり存在します。そうした方々に比べるとどちらか片方の言語が外国語(an acquired language)である通訳者は言語の運用能力では相当に見劣りすると言わざるをえません。

たとえば英語を学習して身に着けた通訳者は動詞と目的語との組み合わせや冠詞、時制、仮定法などでほころびが出る場面が非常に多い。厳しい見方をすると
「ないよりまし」
な通訳者なわけです。

ここで
「まあ、外国語だからこのくらいできればよしとしたい」
という安易な妥協はなるべくしたくないですね。理想はあくまで自然で聞きやすく、通訳していると気づかれない訳を出すこと。実現は不可能かもしれませんが、顧客の望みはそこにあることは意識していたいと思います。

通訳学校やその他の機会で講師をしたことがありますが、特に翻訳の経験のない受講者はかなりいいかげんな表現を平気で使うことがありますね。文法的に穴だらけということも多い。何か言ったら(書いたら)
「本当にこれが自然で普通の表現なのか」
と常に裏付けを取る学習が必要だと考えています。さもないと一生いいかげんな表現を平気で使うことになる。たとえばビジネス関連の日本語から英語に通訳するときになぜか多く登場する enhance, proactive, execute, implement といった単語をしっかりと辞書で調べ、用例を確認しているかどうか。類義語との使い分けはどうか。challenge や try といった単語は日本人独自の解釈が入り込みがちだが、避けているか。train と educate の違い、glad と happy との違いは意識しているか…。

こうしたところに注意をして「仕入れ」を常にしているかどうかで長期的にはずいぶん差が出てくると思っています。