50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2018-08-22 「これだけ」は信じてはいけないようです

「これだけで話せるようになる」
「学習はこれだけで十分」
「聞くだけでわかる」
相変わらず言語学習にはこうした誘いの言葉が多いですね。私は別にどうこう言うつもりはありませんが、成功した実例が複数あるかどうかを確かめてから試すといいように思います。

通訳についても
「必要なのは外国語の能力だけ」
「背景知識がなんといっても重要」
という意見もあるようですが、ここで捨象されているのが
通訳にもいろいろある
ということではないでしょうか。

言語能力が特に重視されるときもありますし、内容がわからないとどうにも訳しようがないということもあるでしょう。


業界の「あたりまえ」を知らないで分析能力と言語運用の力だけで対応しようとすると、
・ペンギンが鳥類の一種で、直立歩行して飛ばずに泳ぐことを知らずに動物園のペンギンプール設計の通訳をする

・株売買の概略を知らずに取締役の報酬としてのオプションと信託の比較を通訳する

・クロスヘッドがある舶用ディーゼル機関を知らずに連桿比やシリンダ潤滑の通訳をする

というような極めて危なっかしい状況になるはずです。


会計システムの帳簿組織や管理会計用データ加工、建築の受発注の話を通訳したことがありますが、本当に楽でした。内容を理解する労力がほぼ不要なので、聞き取りと訳出とに十分に注意を向けることができます。
「朝起きてから事務所に着くまでを英語で説明してください」
に近い感じですね。

1980年代から米国 TIME や 英国 The Ecoonomist を読んでいるので、知らず知らずのうちに守備範囲が広くなっていました。ファッションから核兵器ミトコンドリアまで。一般誌畏るべし。


下北沢北口のカフェ。朝はとても快適です。

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パンが2種類。いちごジャムたっぷり。

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2018-08-21 ちょっと変わった2週間

ぎゅうぎゅうと仕事を詰め込んだ3月~7月。夏の暑い盛りに親知らずを抜くこともあって8月は仕事を減らしました。二週間で業務日が3日という良い夏休みになりました。

本を読みましたし、暑さが最も厳しい時期に都心に出ることがありませんでした。

休みの後の仕事が私の企業勤務時代の専門分野2つに関係するもの。世間一般で考えられる通訳者像からやや離れて当事者の一部に近い立場で関わることになり、チームの一員としての感じを味わいました。


空が青いと映り込みがきれいですね。日が高くなる前に折り返して帰宅です。

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2018-08-19 目の疲れ

なんだか気分がもやもやとしていました。寝不足のようなそうでないような。

そして思い当たったのが最近の読書。少し集中して読んでいました。たぶんそれが気分がすぐれなかった原因です。

人生90年時代を考えて企業勤務を打ち切って商売替えしようとしたときに翻訳業も考えました。しかし長時間画面に向かって作業するのはおそらく無理だと思ったのです。私の場合
「気が付いたら何時間も過ぎていた」
ということは起こりそうもない…。


その直感はまずまず正しかったのではないかと思います。通訳業務の資料を集中的に読む必要は出てくるのですが、翻訳専業ほど目を使いません。それでなんとか続いているのかもしれません。通訳の訓練と実務とでは集中して読む場面はめったにありません。

こうした適性というか好みというのはけっこう重要じゃないかと思います。


株分けをした子サボテンが懸命に咲いています。親株と同じ日に同じ大きさの花を咲かせるのが不思議です。

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2018-08-17 年輪

職業人として過ごした日数を分野別に % で示してみました。34年5か月のうち、通訳が13%程度。今後はこの数字が伸び、他は相対的に減少していきます。

 

人事   39.2
会計   20.1
通訳   13.3
海外事業   10.4
財務     7.5
事務局     5.3
通訳訓練     4.1


毎年たくさん実をつける庭のミカン。3月に剪定し、7月に摘果(1/3 程度を落としました)。このくらい青いうちに絞ると鮮烈でドレッシングに良い。

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2018-08-16 備え(3)

備え(1)・備え(2)で書かなかったことがあります。

機械翻訳・機械通訳・人工知能は人間の通訳者の仕事を奪うか、について。

私が仕事をしているうちにはおそらく大きな脅威にならないと(勝手に都合よく)考えてあまり注意を払っていません。


将来のことを言い当てるのは難しいですね。30年前に音楽や映画をダウンロードして家庭で楽しむようになると想像した人はごくわずか。スマートフォンの概念すらなかった。

事務所にはいまだに紙があふれ、国民に識別番号を与えて手続きを簡単にしようという試みは実質的に頓挫しています。


「通訳・翻訳にも人間にしかできない部分があるから、通訳者は生き残る」
という声もありますし、
「脳だってタンパク質でできている『モノ』だし、脳神経細胞は電気信号を使っているから、いつかは取って代わられる」
という主張もありそうです。


私の立場は申し訳ないことながら
「私は逃げ切るから、後の皆さんよろしく!」
です…。


咲きました。

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2018-08-15 書店もいい

製薬や医療機器の概要を調べるために書店に出かけました。神奈川県が誇る書店「有隣堂」の横浜駅西口のトーヨー地下街店には理学・工学・医療・看護等が充実していて便利です。

創薬関係の本を何冊か手に取って、自分に合いそうだと感じたものを買い求めました。発行日と改訂の有無は必ず確認します。

今回数冊を入手しましたが、最初に読み始めた

創薬科学入門 ―薬はどのようにつくられる? (改訂2版)
佐藤健太郎 

はすばらしい本でした。「当たった!」と思いましたね。

著者は創薬にたずさわり、化学を一般向けに紹介するジャーナリズムで賞を受けています。通訳者の読みものとして間違いない選択でした。


会計に並ばず帰り道の荷物が重くならないオンライン書店も便利ですが、棚の一覧性がある物理店舗には存在意義がありますね。有隣堂丸善などは本を並べる店員の考えや「ワザ」も光ります。店舗で買って支援しようと思います。


南アジア料理部の副部長は夏休みで帰省してもちゃーんと地場の名店に行って自主練しています。

それでは私もと、いつものアバンティ藤沢店へ(藤沢の他に店舗はありません)。

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涼しいうちに歩きました。

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2018-08-14 投資を開始

まずは概要から。

製薬業界の通訳に関しての情報はおそらく日本会議通訳者協会で会員が連載している

製薬業界の通訳 

が決定版でしょうね。内容の正確さ・質の高さ・記述のわかりやすさは他の資料や講習とは比較にならないと思います。密度が高いので理解して身に付けるのは大変そうですが…。


核心を押さえるだけでできるほど通訳は簡単ではないですね。「外堀」を埋めるのも必要。特に「発言者はなぜ『それ』を言うのか」という、やりとりにおける発想の理解は近道だと思います。証券会社でアナリストをした経験のある通訳者の通訳講習に参加した際にこの重要さを思い知りました。

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