50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2019-09-22 ブレイクスルーはあるのか

技能習得の実感は人により違うだろうというお話です。

ブレイクスルー(突破)を感じたことはありません。私にとって変化・上達は常に少しずつ連続的に生じてきたと思っています(感じ方の問題かもしれませんが)。

ブレイクスルーを誰かが語るときには
・実際に何がどう変わって
・その変化を本人がどう評価・表現して
・周囲にいる人はどう評価・表現するか
という複数の視点を考えて聞かないと実情がわからないかもしれません。

だれかのブレイクスルーは他の誰かの日常的な連続的変化の一部かもしれませんし、その逆もあろうかと思います。


ごく最近に同時通訳の心得として

聞くことを主として、訳を口に出すことでそれを妨げないように

といった意見を読みました。

通訳学校に行っていたときにもこのことは重要だと思っていましたが、今になると当時とは違った次元で重要さを認識したような気がします。

通訳学校の授業の準備をするときの
「聞くことを主として」

職業通訳者として5年間通訳をした後に考える
「聞くことを主として」
とは少し違う。あるいはとっても違う。

いつだって今の悩みがいちばん

(おしゃべり階段、くらもちふさこ著)

 


東日本大震災津波東京電力福島第一原子力発電所事故関連の通訳で被災地に何度も赴いています。高層ビルの着工が相次ぐ東京を見ると被災地との違いに目がくらむ思いです。

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日高屋ではなぜか「冷やし麺」と呼びます。具と麺とが別に供されるのが特徴。

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2019-09-18 適格請求書等保存方式(インボイス方式)

消費税法の改正による自営業者にとっての大きな転換点は2023年10月というお話です。

消費税法改正についてはいろいろなところで憶測も含んだ情報が飛び交っています。

いまのところ以下の資料が客観的でわかりやすいと思っています。価値判断を排して実際に起こることを説明しています。

免税事業者は消費税を請求していい?フリーランスのための軽減税率対策【税理士が徹底解説】(弥生株式会社運営のウェブサイト スモビバ!)

弥生株式会社様には有用な情報を公開していただいたことに感謝します。


税率変更に関しては、10月に役務の提供(現場での通訳)が起こる分から 10% ですね。総額表示で取引してきたエージェント等には増税分の加算をするよう確認しても良い時期ではないかと思います。

加算してくれないときにはやんわりと
中小企業庁消費税価格移転等担当に報告せざるを得ませんが、いいですね」
と伝えざるを得ません。たいていはこれで上乗せしてくれるはずです。騒ぎ立てず・波風立てずに実利を取るのが事業主というもの。私たちの狙いは法改正対応が遅れ気味な企業の名をさらしたり攻撃することであってはならない。

中小企業庁消費税価格移転等対策


カレーノキが大きくなり、葉(カレーリーフ)を南インド料理に使いました。すばらしい香りです。香りは柑橘系に近いさわやかなもの。

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右のケーララチキンにカレーリーフを使いました。北インドでは肉用のスパイスとして常用のクローブ・シナモン・カルダモンを全く使わずマスタードシードコリアンダー粉・チリ粉・ターメリック粉・ココナツミルクですばらしい味と香りです。南インドの深さ、おそるべし。左はマスールダール(レンズマメのひきわり)。この豆を使うのは初めてでしたが、素直な味で使いやすいですね。

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2019-09-16 仲間

通訳者相互の協力もいいなあ、というお話です。

「群れる」のとは違う。ゆるく、しかし相互信頼で結びついている。何かあったら気軽に相談できる(深刻に相談してもよし)。お互い様の意識で。専門職の気概をもって。


尊敬するAさんと1週間で2件、計3日仕事をすることができました。「暑い」「遠い」「早口だ」「声が小さい」「資料がない」といった不満を一切口にしない方で、これを見習うだけで一歩先を行く通訳者になれそうです。

そして以前に同時通訳で同席したBさんとも同じ時期に3件。落ち着いた方でしっかりとした考えを持っていらっしゃる。

さらにうれしいことにその合間の1日、いつもの現場でいつもの姉弟子Cさんと組むこともできました。一緒にいると気楽な人に囲まれた2週間。


さらに予期せぬうれしい展開もありました。私が「逃げ出した(引き受けなかった)」通訳業務の分野がBさんの得意分野であることが判明。エージェントにBさんをおつなぎして罪滅ぼしができました。断るだけではなく、何かを提供できるのも商売人として大切だと思います。


同業者からは貴重な情報を得ることもできますし、いざというときに業務を代わってもらうこともあるかもしれません。ときには仲間を募って元請負(顧客との直接契約)で通訳プロジェクトを実行してもいいでしょう(顧客・エージェントの気持ちが痛いほどわかるようになるので一度は経験すると良いと思っています)。


通訳学校 インタースクール東京校 に通っていた懐かしい道。まぜそばの「ぶんか」が気になっていたので初めて食べてみました。叉焼まぜそばにしたら麺が見えない~。

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2019-09-15 またも同じ過ちを…(未遂)

学習しないお話です。

今年は7月に多くの業務を詰め込んで8月の末に寝込みそうになりました。猛暑と仕事場の強い冷房とで相当参っていたのですね。目の前に仕事があるとなんとなく動けてしまうので、その後の反動も大きいようです。岩手県に出張した翌週に福島県に行ったりしましたし…。

休養日には仕事の予定がなかったのでエージェントやお客さんに迷惑はかけなかったのですが、一般社団法人日本会議通訳者協会の年間最大イベント「日本通訳フォーラム」に行けなかったのは実に残念でした。今年もチケット販売予定数は売り切ったようです。懇親会も急遽2会場にしたのですが、そちらも完売。また来年、ですね。


疲れる前に休もう。私にとっての永遠の課題
「(日・英で)普通はどう言いますか」
に取り組むための基礎学習時間も減らしたくありません。

それなのに。打診があると仕事を引き受けてしまいます。おそらく引き受けの基準に問題がある。「引き受け可能だから」通訳に出向くのでは同じ過ちを何度でも繰り返してしまいますね。「可能だけど、1か月・6か月単位ではどうか」というところまで考えないと。


なんとか踏みとどまって9月には若干の「ゆるみ」を入れることができました。新しい分野で準備が他の仕事よりも大変そうな業務はお断りしました(複数日あって魅力的でしたが)。


売上数字を見ているとつい
「ここをこうして、この空いた日に仕事があれば…」
と思うのですが、そこで一歩引いて考えることにします。


こんな場所にも縁ができました。

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この国際会議場の同時通訳ブースは新世代の設計でとても快適でした。
・椅子を余裕をもって4つ置ける広さ
・外から通訳者が見えないコーティングガラス窓
・幅・奥行が十分な机
・1人あたり4口の電源
・静音空調
・調光式照明
・大画面モニタ
・すばらしい音質

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2019-09-10 心づかいの細かい登壇者

通訳者を効果的に使うすべを知っている方もいるというお話です。

米国人の基調講演を同時通訳する機会がありました。通訳エージェントからは
「特に原稿はないとのことです」
というよくあるお話。

ないわけないでしょ。改まった席で40分話すんですから。少なくとも要点のスケッチ(talking points)は必要なはずです。今までの経験だと
「資料なし」
のはずが当日スクリーンにスライドが20枚くらい出てくることもありました。

それでも先方から通訳者に対して
「打ち合わせ時間を設けてください」
というありがたいお知らせがありました。


当日の打ち合わせで登壇者は話の内容を実にわかりやすく手短に伝え、投影する画像についても一通り見せてくださいました。


講演は通訳を使わずに英語を聞く日本人のことも考えたような明瞭で落ち着いた語りでした。これは効果的な同時通訳のためにも大いに助けになります。


しかし本当の驚きは行事の最後でした。この登壇者が通訳者チームに近づいてきて
「事前に資料を出せずに本当に申し訳なかった」
と伝えてきたのです。
通訳者を味方につけるにはこれに勝るせりふはそうそうないでしょう。
「ああ、この方は『通訳者の取扱説明書』をよくご存じでいらっしゃる」
と感心します(ひょっとするといつもこの手で事前に資料を出さない(出せない)のかもしれませんが…)。

2019-09-09 欲望の果てには

「もっと」を追い求める先には何があるのだろうかというお話です。

企業勤務を28年間してきた後にフリーランス通訳者になったので、ある程度は意地もあります。
「(通訳者になるなんて)なかなか難しいのではないですか」
「よく思い切りましたね」
と言っていた人もいましたから、
「何とかなってますがなにか?」
と見せて差し上げたい、というちょっとネガティブ寄りの感情エンジン。

仕事の照会があればひたすら引き受けてきました。業界のことを知るにはある程度の量を経験する必要があるはずです。

仕事の量は2017年から増加の傾向がはっきりとしてきました。2018年の8月に前年(2017年)実績を超えました。同様に2019年の8月に2018年の年間業務量を超えました。

そしてその代償として週末に動けずにほとんど寝ているという体験もしてしまいました。7月の業務回数は26回です。1日に2回ということが6回ありました。疲れも出るわけです。


「通訳者としてそれなりに仕事をしているのはもう十分証明したじゃないか」
「仕事の量が確保できるとしたら、次はどうしたいのかい」
と自分に声をかける時期なのかもしれません。

たいていのことは続けるほうが始めるより難しい。始まったら、さあ、次はどうするんですか。自分で決めないと他人に決められるかもしれませんよ。

そうは言いながらも、まだわからないことがたくさんあるのでもう少し流されてみようかという思いもあります。

少し時間を取って考えてみる必要がありそうです、


ラオスの料理。名前だけでは…。

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