50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2018-02-18 確かに怖い--本当に通訳できるのかどうか

ブログ「定年からの通訳デビュー」でモコちゃんパパさんがこう書いています

いまだに「スピーカーの言っていることが全く聞き取れなかったらどうしよう」と思うことがあります。 

 この気持ち、本当によくわかります。初めての顧客・初めての場所だと
「なぜ自分が通訳できるといえるのか」
がよくわからない。

「いままでなんとか通訳してきたではないか」
というだけでは安心できないのです。
今日こそ通訳者として息の根が止まる日になるんじゃないか
と以前にもブログに書いたのを思い出しました。


私は大手民間通訳養成機関「インタースクール」を修了した縁で同校の母体インターグループから通訳業務を多く請け負ってきています。同校は
「インターメソッド」
という養成手法を提唱しています。学校と通訳現場とを結び付けて通訳者を世に出す機会を作り、実力を伸ばしていこうというもの。インターグループから業務の打診があるときには
「このエージェントは私の授業での出来を知っているし、いままでの私の経験もわかっていて照会してきている」
という安心感があります。難易度100の仕事の後に打診してくるのは115のもの。いきなり150のものは回してこない。後になってわかるのですが、これは実にありがたいことです。おそらくサイマルアカデミー等他のエージェント併設学校でも同様だと思います。


他のエージェントですと私の業務経歴書と現場での評価がすべて。順を追って育てていこうという発想はありません。
「こんな仕事があります。請け負ってくれますか」
という "Take it or leave it" という関係に近くなります。通訳者は
「その仕事、私にできるんでしょうか」
と受け身でいることはもはや許されません。

仕事の難易度や自分の経歴への影響を自ら推量して引き受けるようになればフリーランスの入り口にたどり着いたのかなあ、という気がします。


通訳音声の受信機。これだけ多くの人が通訳者の声を聞きます。
(写真はイメージです)

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2018-02-13 自営業

通訳学校を終了してからずっと自営業(フリーランス)で通訳業を営んでいます。そう、「営んで」いるんです。仕事の打診を受けたら引き受けてもいいし断ってもいい。その帰結を自分で引き受けるまでです。意識するとしないとにかかわらず、自営の仕事のしかたには事業主の戦略(ちょっとおおげさかかな。方針といってもいい)が現れます。

技能まっしぐら、「刀を研ぐ」ことを第一とする人。通訳というサービス業でも当然市場原理が働くので需給関係や報酬に敏感な人。分野を限る人。様々な分野を引き受ける人。商談や交渉に特化する人。会議場での同時通訳を志向する人。通訳学校で教える人。教えるのはカネにならないしめんどうだという人。

続ける自由もありますし、市場から退出する自由もあります。通訳サービスが売れなければ昔の英領香港のように
「野垂れ死にする自由」
もありそうです。


私は学校を卒業してから大きな企業で28年も働きました。個人ではとても不可能なことを組織が成し遂げることも実際に体験しましたし、組織ならではの「内部損失」(組織を維持して機能させるための「本業以外」の仕事)も十分に味わいました。この経験は今になってとても生きていると思います。両側を見てきたからこそ現状のありがたみや限界がわかる。日々しみじみと喜びを感じて仕事ができるし、歩くときに踏む足元の氷がところどころ薄いのもわかる。


先日は外国の顧客と直接取引をする機会がありました。英文で見積書を出し、基本契約を交わす。支払いやキャンセルの条件を確認する。以前にプラント工事の見積書や契約書を扱ったときを思い出します。今までの経験から言えるのは、こうしたことも繰り返していくといつの間にか特別のことではなくなるということ。ときには痛い目にも遭いながら…。



コジュケイはいつも丸々。人間を気にする様子もありません。

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2018-02-12 英語でも日本語でも、話せないと通訳はできない

通訳学校その他で通訳の練習を観察する機会が増えました。

学習者や受講者に共通する弱点(課題)を挙げるとすると、
1.何かを探っているような/迷っているような、流れが滞った発話
2.話者が発した情報の取り込み
でしょうか。この2つは別の問題のようで実はかなり相互に関連があります。

今日の記事は上記 1 について。原因はおそらく2つ。
A.そもそも人前で端正に簡潔に話すことに慣れていない。
B.原文の語句に引きずられるあまり、普通の表現になっていない。


通訳では他人の話を大急ぎで取り込んで別の言語で表現していきます。相手に聞きやすく話す練習をしていない人が通訳練習だからといって急に伝えるのが上達するとは考えにくいですね。

そして原文を単語単位で懸命に置き換えようとすると訳文の流れが止まります。

なぜ「懸命に置き換えようとする」のかというと、おそらく英語・日本語の運用能力が足りていないから。言語面で制約があるので意味の取り込みの深さ・速度が共に不足していて、その意味を別の言語で表現することも同じ理由で難しい。

「このような内容を表現するには、普通はこう言う」
という蓄積が不足しているか、蓄積があったとしても直ちに動員できていない。


音声を聞いて通訳練習するだけではなく、日本の新聞を読んでその内容を流れの良い英語で説明する。日英を逆にして同様の練習する。簡単な準備をして数分のスピーチをする。他の人のスピーチを聞いてすぐに論評・評価を返す(集中して聞く良い練習になります)。このような練習がずいぶんと不足しているような気がします。

欧州の大学院の通訳課程では毎回の授業で短いスピーチが取り入れられていると聞きました。課程を修了した人は通訳の現場に出てその理由を思い知ったそうです。


以上に書いたことは私の課題でもあるので、いろいろと練習メニューを考えて練習しています。
「ひょっとしたら(この練習方法は・この表現は)違うんじゃないか」
という健全な疑いの心で練習するのが好きです。


相模原市上溝にすばらしい店ができました。「RAISA」です。これでもう埼玉県八潮市中央区日本橋江東区大島に行かずともニハリやパヤが食べられます。

 

ニハリの骨付き肉(俗称「ギャートルズ肉」)

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全粒粉で焼いたロティは良い香り。メニューに載っていませんが、「ロティ」と注文すれば問題ないようです。

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2018-02-11 クリエイティブ

お名前だけ知っている通訳者の紹介で新しい仕事を引き受けました。先方も私の存在はご存じだったと思います。こうした取引では関係者に対する連絡にも十分な心遣いが必要ですね。単なる紹介なのか推薦なのかも説明しておかないと後になって思い違いが顕在化したりしそうです。

いわゆるクリエイティブ関係の仕事で、私にとっては新しい分野の体験でした。わかりやすい資料を事前にいただくことができたので比較的心穏やかに準備ができました。


近所のコメダ珈琲店が2軒共に閉店しました。出かけた先の久しぶりのコメダでフィッシュバーガーを注文したら以前と少し変わっています。
・皿が違う(以前は白の陶器。今回は色付の樹脂)
・半分に切っていない(以前は切ってありました)
・食べた感じも何か少し違う
おいしいことに変わりはありません。コメダで食事をするときはたいていこれです。

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2018-02-10 手を広げすぎたかな

出身の通訳学校で講師をしています。2017年04月期から半年、そして2017年10月期からさらに半年。まもなく講師経験も1年になります。

市民大学の講師も最近担当しています。いろいろな縁があり、運命には逆らわないという(受け身でちょっといいかげんな)方針で引き受けました。授業を始めるといろいろ工夫することもあって楽しいものです。

週に5つの講座を持つとさすがに通訳業務や自分の基礎学習その他に影響が出ますね。「新秩序」(a new normal)という感じです。移動時間が長いと電車に座っていても意外に疲れることもわかりました。


今後は何かを引き受けるときには先々の影響をもう少し考えてみようと思います。


午前中で仕事が終わり、大田区のネパール料理店「サーランギー」で昼食。豆スープのおかわりはどうだ、ご飯はもっと食べるか、じゃがいものおかずもあるぞ、といろいろ世話を焼いてくれます。線路の西のタカリバンチャでは経営者が交代して業態も大きく変わりました。ネパールらしい食事は線路の東のこの店ですね。

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2018-02-04 日本通訳フォーラム2018

日本会議通訳者協会の理事をしています。ちょっと立派な肩書ですが、私の役割は会計および資金管理。企業勤務時代に身に着けた知識・技能で奉仕しています。通訳の経験や技能で理事を拝命したのとは違います。そこんとこよろしく、という感じです。

最近他の理事と通訳現場で一緒になることが数回ありました。やはり通訳の世界は狭い。悪いことはできません。普段からいろいろ話をしている仲間とは仕事のチームワークもひときわ良いように感じます。昼休みや業務後に協会活動の打ち合わせができるのも便利ですね。昨年もいろいろと活動してきましたが、今年も気合が入っています。建築通訳ワークショップ(大阪)と札幌ワークショップはすでに完売。そして…


いよいよ年間最大のイベント
日本通訳フォーラム2018(2018年8月25日・土)
が発表になりました。

歴代の基調講演者名簿は錚々たるものですね。
2016年 原不二子
2017年 鳥飼玖美子
そして
2018年 鶴田知佳子
の各氏を招くことができました。

個別セッションにはカルロス・ゴーン氏の通訳としてテレビ等で一躍知られるようになった森本由紀さんも登場です。フリーランス会議通訳者とは違う社内通訳者の仕事について興味深い話が聞けるはずです。


私も会場で小間使いをする予定ですので、見かけたらぜひお声をおかけください。


仲間との打ち合わせランチはもちろん南アジア料理。宮廷料理の伝統を汲む北インド料理をしっかりと食べました。

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2018-02-03 常に変化

私よりも10~20年長く通訳をしている方と現場で一緒になることが最近続きました。私は「つま先立ち」で緊張、先輩たちは「以前お世話になった現場だから」とリラックス。Paul Simon の曲「One Man's Ceiling is Another Man's Floor」を思い出します。私の天井が彼らの床。

それでも床と天井とで接するまでになりました。

こうしたときこそ自分の足りないところ・弱いところを見つける機会です。少し喜びつつも浮かれることなく淡々と。


新しい年の1か月が過ぎ、前年同月比を分析してみました。業務日数が減って月収は伸びています。単価の果たす役割の大きさを感じます。良いサービスを適価で買っていただく。その価格は市場で(相対で)決まる。商売の本道を行くときは胸を張って。建設設備の企業に勤務して叩き込まれた基本です。

しっかりとした仕事をしていれば
「収入はついてくる」
のは事実です。しかし常に黙って受け身であることはこの真理の十分条件ではありません。自分が買い物をするときの行動を考えればわかります。買い手は厳しく品質と価格とを見ますが、自発的に多く払うことはありません。


まだ人気(ひとけ)のない時間。

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仕事が終わったら豆乳ぜんざいで暖まりましょう。店長の実家でついた餅だそうです。餅のこげるにおいはどうしてあんなに魅力的なのか。

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