残念ながら通訳学校の授業に出られなかった日があります。その日は他の受講者もいろいろと事情があり、出席者はごくわずかでした。
そして、その日はみごとに教材音声を一区切り仕上げたそうです。授業でも実際の通訳を念頭に置くと「疾走感」は大切だと思います。
同時通訳では2人の通訳者で15分交代というのがとりあえずの業界標準のようです。でも、1人で15分間通訳する授業は通訳学校でもそう簡単に取り入れられないはずです。自分で練習して慣れておかなければいけないことなのでしょう。
ゆっくり・はっきりの音声で内容にも慣れている話を同時通訳する仕事だったとしても、通訳者の脳裏に
「15分って長いなー」
とか
「早く代りたいなー」
という雑念が湧くと訳出にも悪影響がありそうです。
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ときどき BBC の Science in Action という科学報道番組を使って「耐性訓練」をしています。音声を流し始めたら止めないで15分訳す。ホストの Jack Stewart さんは早口なので速度は 90% にしています。彗星探査機や抗生物質、地球温暖化といった興味のある内容なので苦行になりません。本当は学校の教材も使うと良いのですが…(そのうち取り組みます)。
同時通訳の仕事はまだ先、などと思っていると突然やってくることもあるんじゃないかと思います。仕事は通訳者の都合におかまいなしに発生していますから…。今まで担当した通訳業務にも
「え、私が?」
というものがありました。エージェントさん、機会を与えていただきありがとうございます。お手柔らかに、かつ、(たまには)大胆に任せてみてください。しっかり訳してまいります。現場に行くときには
「私ならできる」
こう思うしかないのです。
失敗しても命までは取られない。