小学生のときからの知識が47年後に役立つというお話です。
小さいころ身につけた動作や知識はしばらく使っていなくても意外にしっかり残っているものです。私の場合だと、たとえばモールス符号。短点「・」と長点「ー」を組み合わせる例の信号です。モールス符号の送受信実技がアマチュア無線技士の試験に義務付けられていた時期に学習し、受験以降まったく使うことがありませんでした。それにもかかわらず47年後にも欧文26文字、数字、疑問符は完全に使えます。自転車に乗るあの感じですね。
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電気工作もしていたので回路図やブロック図にも親しんでいました。これがまさか通訳者になってから役立つのに驚きます。コロナウイルスの大流行で遠隔通訳が増え、電子会議室をいろいろな構成で使うことになりました。通訳提供の方法も多様になります。どの会議室にどの音声信号が流れるのか、言語の方向が変わるときの切り替えをどうするのか、など。
これをさらに複雑にするのが音声の扱いがデジタルとアナログの両方に分かれることです。頭の中で考えているだけでは思い違いや見逃しがあるので、ブロック図が欠かせません。昔々に「低周波増幅」や「混合」、「2極双投」などと紙に書きましたが、この歳になって「PC1」「ミキサー」などとパワーポイントで描くようになるとは思いませんでした。
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なすのマスタード油焼き。南アジアらしい素材はマスタード油と少量のターメリックだけです。