遠隔通訳が一般的になり、通訳者も機器類についてある程度は理解が必要だと思います。まずマイクロフォンについて少し。
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何を買うにせよ、自分の使途に合っているかが大切です。自宅で仕事をすることになっても、ナレーションを本業にする人と通訳者はマイクロフォンに求めるものは少し違う。
■ナレーター
高音質がなにより大切。大きなマイクロフォンが目の前に居座ってもよい。環境は極力無音に近づける。リラックスして良い声を出すため、普通の大きさの声で話す。
■通訳者
音質は高いに越したことはないが、他の要素との妥協が必要になる。まず、なるべく小型であること。卓上にはコンピューターやタブレット、スマートフォンも置く。紙の資料やノートを使うのもごく普通。目の前にスタンド型マイクは置けない。
環境音は若干なら容認。そもそも通訳者自身がキーボードやマイクのスイッチで騒音を発する。したがってマイクには音質と環境音を拾わないこととの妥協が必要。通訳者の声量は控えめ。
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ですから、ナレーター用の高品位コンデンサーマイクが通訳者用の最善の選択にならない場合が多いのはごく当然といえます。通訳者の環境が非常に静かで部屋も広く、大型のマイクアーム(ブーム)を使えるのならノイマン U87Ai や AKG C414XLS でもいいかもしれませんが(ほぼ冗談です)…。
通訳者の中にはナレーション録音や司会をする方もいらっしゃると思います。ナレーターやアナウンサーが勧めるマイクロフォンは必ずしも通訳に適するとは限らないことは記憶にとどめておいていいと思います。
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ダイサギのダイちゃん(仮名)とコサギのコーちゃん(仮名)です。