50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2020-06-17 評判には理由がある

それなりの評価を受けているものには実質が伴っているというお話です。


学校を卒業したのが 1980年代の中ごろです。職場では 1990年代に職場に IBM PC の導入が始まりました。NEC PC98 を導入せずに DOS/V を購入したので幸運にも伝説のキーボード IBM Model-M  を使う機会がありました。座屈ばねを使った独特の打鍵感(カシュン/コッキュン、という「押し抜き感」)は今でも思い出します。鉄板が入っていてずっしりとした重みでした。接続ケーブルはカールコードです。

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時は流れて新世紀、通訳の現場に持ち出すために主に使用するPCをノートにしました。東芝dynabook R73/W3 です。良い機械ですが、キーボードの感触がいまひとつです。それでも打鍵数はさほど多くないので特に不満もなく使ってきました。

そしてある日、米国系の顧客からPCを借用して作業することがありました。名作といわれる Lenovo ThinkPad X240 です。キーボードの感触に感心しました。指で荷重を掛けるとキーが静かにすっと沈みます。他のPCによくある「かちゃかちゃ・ぺちゃぺちゃ」感がありません。

この時から
「いつかは Lenovo ThinkPad
と思うようになりました。


そして今年、コロナウイルス流行で持ち出すことも少なかった R73/W3 のキートップ(キーボードの文字表示のあるプラスチックの薄板)が1つ脱落します。はめこむときに少し力を入れすぎてキーボード基盤側のアルミの爪を曲げてしまいました。

キーボードの故障は5年間で2回目。キートップの脱落は小さな故障ですが、靴の中に入った小石のようなやっかいさがあります。本体も十分長い期間使ったので入れ替えを決心しました。

収入が減っているのに支出が多いのも困りものですが、耐久性とキーボードの打鍵感を重視して Lenovo ThinkPad X1 Carbon を購入しました。商品カテゴリ内で最上級といわれるものは通常ずいぶん高価です。実用車ならメルセデスベンツ、ビジネスで使う時計ならロレックス、靴なら…、とリストは続きます。どれも簡単に手が出ませんし、なにより分不相応。その点ノートPCは非常に民主的(?)で、「これより上はない」という型も普及品の数割増しの価格で買えます。


実際に使ってみて5年の技術進化を感じることができました。CPUの発熱が少なく、ファンが回ることがめったにありません。本体も薄く、外付け電源も小型軽量です。

そしてキーボードはやはりすばらしい。試し打ちではわからない価値があります。文字入力を続けても手が疲れず、ミスタイプも減ります。心地よいと押し間違いが減るのは新しい気づきでした。

しばらく X1 のキーボードを使ってから R73/W3 のキーを操作すると
「うーん…」(これを使っていたのか)
という感じです。もう戻れない。


ケーブルは左側集中式。右には USB の A がひとつ。

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