50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2020-06-04 ものが売れるとは

買う人の立場で考えようというお話です。


もうずいぶん昔になりますが、社会保険労務士(社労士)という国家資格を取りました。税理士や行政書士などと同様に「独占業務」が認められています。社会保険や労働法規関係の書類を事業主や本人の代わりに作成・提出するためにはこの資格が必要ということです。

資格取得当時に社労士の仕事のしかたについていろいろと情報が入ってきました。大きく分けて「開業社労士」と「勤務社労士」があります。ちょうど「フリーランス通訳者」と「社内通訳者」に対応します。


開業を考える有資格者の中には
「難関といわれる試験を突破した。独占業務もある。仕事はあるだろう」
と考える人もいます。しかしここには仕事を発注する「買い手」の視点が欠けています。顧客に価値が生まれるから業務を提供する側(社労士)にも価値の「取り分」がある。

社労士も客商売だと意識したのは10年後に通訳者になるときにとても役立ちました。通訳学校に通い始めたときから
通訳 = 客商売
だということを当然だと思ったからです。

顧客があなたから通訳サービスを買う理由はあなたが

帰国子女だから
留学したから
純国産通訳者だから
有名通訳学校を修了したから
通訳専攻の大学院を修了したから
通訳学校に行かずに苦労して勉強したから
思い切って勤務先を退職したから

ではありません。

あなたの通訳サービスを買うほうが他の人から買うより良さそうだからなのです。