50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2019-10-07 売掛金の回収

業界で売掛金に対する感覚が違うというお話です。

顧客からの報酬が自分の銀行口座に入金する日はオンラインバンキングで口座を見張っています。

取引のある大手エージェントからは午前8時や9時に入金します。銀行の振込センターに前日に振込データを送信している会社ですね。摘要が「給与」となっている場合もあります。振込手数料を減らすために給与振込扱いにしているのですね。こうした会社は手堅いという印象を受けます。給振扱いにするには振込データの送信を1日早める必要があります。事務処理が合理化できていることを示唆します。

午前の遅い時間や午後に入金してくる顧客もあります。当日の依頼(データ送信)で振り込んでいることがわかります。私にとってはやや要注意な客先となります。顧客の資金担当者が病気になったりしたら当日の入金ができくなります。インターネット経由で送金依頼をするのなら機械や回線の故障で振込実行ができなくなるかもしれません。


当日に為替を取り組む(=振込を依頼して実行する)企業にはその理由を詮索したくなります。支払資金が足りるのを確認してから払っているのではないか、など。


私は建設業の企業で支払い担当をしたことがあります。この業界では支払の約束は絶対です。客先からの入金をあてにして協力会社への支払いや社員への給与支払いを計画します。払うと言ったものは必ず払う。相手が払うと言ったものは必ず回収する。期日に入金がない場合には翌日の朝に電話で確認します。要領を得ない回答の場合には事務所を訪問します。行ってみたら夜逃げした後だった、ということだって起こるのです。

半年間に手形・小切手の不渡りを2回出すと銀行取引が停止となり、事実上の倒産です。手形を扱ったことのある経理経験者は支払に非常に敏感です。で、私も敏感ということになるわけです。期日に入金しない場合にはすぐに次の手を考えてしまいます。電話にするか訪問するか。内容証明郵便を送るとしたらどの段階にするのか。お金のことにユルい会社は危ないという考えがしみついています。


いっぽう通訳業界で手形や小切手で支払うことは聞いたことがありません。すべて現金(銀行振込)決済ですね。口座の資金不足で為替の取り組みができなくても(振込ができなくても)不渡り事故にはなりません。顧客によっては支払の遅延もけっこうあるような話を聞きました。
「なんだかんだ言っても払ってくれるから」
という感じで。顧客がその顧客から支払いを受けないと通訳者に払えない(払わない)ということもあるらしいですね(back to back 決済)。

私も「潔癖症」を少し鈍らせたほうが良いのかもしれません。


いつもの散歩道。竹は青々と。ヒガンバナは彼岸の日に咲いていました。

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