フリーランス通訳者につきものの不安についてのお話です。
「完全に準備ができている」
という通訳者がいたら、嘘つきか詐欺師でしょう。
話者本人に成り代わりえない以上、完全な準備はおそらく無理。
通訳者、特にフリーランス通訳者で複数分野を手掛ける場合に共通するものは
不安
ではないかと思っています。
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いろいろな場面を経験していても今後必ず新しい課題・問題に直面する気がします。それがどのような形か、なんとなく想像ができるようで実はその想像が当たらない。
現場には魔物が住んでいる。
だからこそ不安に対処する術が必要です。術といっても目新しいことではなく、舞台俳優や音楽家のために書かれた本番前の行動基準を参考にするとよいと思います。
対処法として共通しているのが
「緊張を受け入れよ」
ということではないでしょうか。緊張や不安は当然のこととして受け入れる。無理に抑え込もうとしない。
そしてこれが効果を発揮するのは十分な準備をしたときでしょう。
「思いつくだけのことに取り組んだ」
「時間が許す限りのことはした」
と思えればたとえ通訳の本番が思い通りに進まなくても不思議と後悔の念は強くありません。次に向けての前向きな考えも出てきます。
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先週・今週と分野は違うながらも重圧の大きい仕事が続きました。引き受けたからには期待に沿うつもりで取り組みます。私の訳を待っている人がいる。あらん限りの誠実を尽くせ。
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近所の家にきれいな花が。ユリもガクアジサイもみごと。