50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2019-03-24 解釈なしに通訳は成り立たない

技術の通訳が数件続きました。通訳者が話の内容をしっかりと把握しているとうまく気配を消すことができるように思います。話者も
「これ、うまく訳してくれてるのかな」
「本当に伝わっているのかな」
という心配がないと語りが自然になりますね。


聞いて、別の言語にして話す。ここに通訳者の解釈が必ず入ります。
"Thank you VERY MUCH!"
と冷たい感じで言ったとしたらその訳は
「はいはい、どうもおせっかいにありがとうございます!」
「やっちゃってくれましたねぇ」
といった意味を伝えるものにする必要があります。

こうした感情面だけではなく、すべての要素に解釈が必要になります。

「英語の力が必要だ」
「関連知識が必要だ」
「日本語の力が必要だ」
というのはまず「解釈」のために欠かせないからだと思っています。


翻訳者の井口耕二さんが示唆の多い記事を公開しています。

積極的に解釈することによってのみ、「翻訳者の解釈が入らない訳文」ができる

誤解されやすい翻訳業界の常識-訳文に、翻訳者の解釈を入れてはならない


以前にもこのブログで紹介した通訳学校の講師諸氏の表現もここでいう解釈のことだと思います。

「理解には一点の曇りも残さないように」
(ISS講師 丸尾一平、講習会)

 

「わからない場合には口を開かないでください」
(インタースクール講師、授業)

 

「通訳者の頭の中に存在しないイメージが、オーディエンスに伝わるわけがない」
(ISS講師 日野峰子、ムック記事)

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チャナ(ひよこ豆)のスンダル(サラダ仕立て)
とにかくおいしい。皿を抱えてぜんぶ食べたくなります。スパイスはごくわずか。しょうが(みじん)・ヒング・マスタード(粒)・青唐辛子(姿)・赤唐辛子(姿)・コリアンダー(葉)・レモン汁。ココナツシュレッドを少し加えました。

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