通訳の仕事をするようになってストレスの度合いが非常に下がったと感じています。
企業勤務時代に比べて仕事がとりわけ楽になったというわけでもありません。仕事が大きく変わったのでその変化(珍しさ)を好ましく感じているのが要因の一部なのかもしれません。
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なるほど、製造業や建設業で働く管理職とは大きく違います。
まず、絶対的なリスクが違います。通訳者の業務が原因となって人が死んだりけがをしたという報道に接したことはいまだにありません。通訳者が業務上過失致死などで書類送検という話も聞きません。こうしたことはバスの運転手や飲食店、医師や花火職人にとっては現実のリスクです。
部下や上司が業務上の災害やその他の傷病で働けなくなったり、極端な場合には自ら命を絶つなどということも自営業の通訳者には無縁です。偽装や不正の隠ぺいに協力させられることもありません。
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「通訳者って、2つの言語が話せるなら簡単にできるのですよね」
と言われてこれを強く否定する発言をときどき見聞きします。
「通訳はそんなに簡単なものではない」
と。
そう思う人がいてもいいのではないでしょうか。なかなか他人の仕事の様子はわからないものです。それに、人がどう思うかはこちらでは左右できないこと。自分で信じることを信じる方法でしていればいい。だれかが
「その仕事、ちょろいもんなんでしょ」
と思っているとしても、その人の理解の範囲ではそれは「正しい」のですから。
実際「ちょろい」仕事と思われる要素はありますものね。トンネル掘るわけでもないし手術をするわけでもない。仕事が終わればさっさと帰れちゃいますし。
自分の大変さは自分が知る。その範囲でできるだけのことをする。そこに貴賤はないし優劣もない。
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