50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2018-09-29 声が出ない恐怖

数日前に日本会議通訳者協会が Facebook 上に設けている会員限定グループでのどをいたわる話題が続いていました。水を超微粒子にして吸引できる携帯機器や外国みやげで買ってきてもらう強力なのど飴など、皆さんいろいろと工夫しています。

私は過去一度だけ
「うわ、声が枯れるってこういうことか」
と思ったことがあります。騒音の中で大きな声を使った翌日の朝でした。幸いその日に仕事がなく、数時間のうちに落ち着きました。それ以来大きな声が必要になると感じたときには脱力して体の重心を下げるような意識で柔らかく声を通すようにしています。


そんな折、3人体制で午前・午後の同時通訳を担当しました。発話量が非常に多い業務です。そして1人がまったく声が出ない状態で現場に到着しました。なるほど、これが噂の…。
「♪~!」(バッハ トッカータとフーガ)
という感じです。

良いニュースもあって、3人は今までよくいっしょに仕事をした仲。特に騒ぎ立てることもなく2人体制で乗り切りました。同じ業務はいつも3人だったので最後は少し疲れを感じましたが…。

通訳を発注した側には何の影響もなかったはずです。こういうときこそ涼しい顔をして客には何も悟られないように進めたいもの。


この件から得る教訓は何か。

  1. 身体を大切に
  2. 普段から通訳者相互の意思疎通・相互理解を
  3. その場・そのときにすべきことを黙ってすぐに

通訳エージェントには事情をさりげなく伝えておきます。エージェントが第一に心配するのは苦労した通訳者のことではありません。顧客がエージェント・通訳者に対して持つ印象です。そこに心配がなければ通訳者の印象はぐっと良くなります。

エージェントにとっての良い通訳者は
「現場を無事に納めてくる通訳者」
「済んだことをあれこれ言わない通訳者」
ですから…。

※ 本件のブログ掲載は同席通訳者2人の承諾を得ています。


というわけでちょっとした慰労です。ネパール風のじゃがいも料理と干し肉料理。実においしいんです。

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