「これだけで話せるようになる」
「学習はこれだけで十分」
「聞くだけでわかる」
相変わらず言語学習にはこうした誘いの言葉が多いですね。私は別にどうこう言うつもりはありませんが、成功した実例が複数あるかどうかを確かめてから試すといいように思います。
通訳についても
「必要なのは外国語の能力だけ」
「背景知識がなんといっても重要」
という意見もあるようですが、ここで捨象されているのが
通訳にもいろいろある
ということではないでしょうか。
言語能力が特に重視されるときもありますし、内容がわからないとどうにも訳しようがないということもあるでしょう。
▼
業界の「あたりまえ」を知らないで分析能力と言語運用の力だけで対応しようとすると、
・ペンギンが鳥類の一種で、直立歩行して飛ばずに泳ぐことを知らずに動物園のペンギンプール設計の通訳をする
・株売買の概略を知らずに取締役の報酬としてのオプションと信託の比較を通訳する
・クロスヘッドがある舶用ディーゼル機関を知らずに連桿比やシリンダ潤滑の通訳をする
というような極めて危なっかしい状況になるはずです。
▼
会計システムの帳簿組織や管理会計用データ加工、建築の受発注の話を通訳したことがありますが、本当に楽でした。内容を理解する労力がほぼ不要なので、聞き取りと訳出とに十分に注意を向けることができます。
「朝起きてから事務所に着くまでを英語で説明してください」
に近い感じですね。
1980年代から米国 TIME や 英国 The Ecoonomist を読んでいるので、知らず知らずのうちに守備範囲が広くなっていました。ファッションから核兵器やミトコンドリアまで。一般誌畏るべし。
▼
下北沢北口のカフェ。朝はとても快適です。
パンが2種類。いちごジャムたっぷり。