通訳エージェントも直接契約のお客さんも
「この通訳者、経験はないし実力のほどもよくわからないけど、一度使ってみようか」
ということはめったなことではありません。
プロのサービスを買うのですからあたりまえですね。私たちが何か物やサービスを買うときのことを考えてみればわかります。
それでは永遠に通訳者として世に出られないかというと、そうでもありません。現にちゃんと新たな通訳者が市場に参入しています(私の仲間も私もそうです)。
「階段一段飛ばし」や「特別エレベーター」の経験をする人もいないわけではない。しかし、大多数の通訳者は
- 賃金や請負金額が安くて
- 失敗が起こりにくい
仕事(顧客にとって低リスクの仕事)から始めることになります。そうして少しずつ信用度を上げていく。
するとどこかで仕事の難易度・重要度が上がる機会が出てきます。おもしろいことに、そうした場面は偶然によることも多い。仕事に行ってみたら当初聞いていたのと違う「一段上」の仕事をせざるを得なかったとか、エージェントが他の通訳者の都合がつかなくなってちょっと思い切って担当させるとか。
そうしたときに平常心で乗り切ってなんとかボロを出さないと
「次のステージへようこそ」
ということにつながっていくのでしょう。
▼
立ち居振る舞い・各種連絡など、通訳者は全人的に常時評価されています。そうした「丸ごとの」印象はかなり重要だろうと思います。顧客やエージェントは通訳者の各技能・印象に点数を付けて「総合X点だからこの仕事をさせよう」という判断はしていません。最終的には
「たぶんだいじょうぶ」
というKKD(経験・勘・度胸)で決めているんじゃないでしょうか。
▼
港区田町のネパール料理店「デウラリバッティ」のダルバート(ネパール定食)。ここと大森の「ナタ」、大塚の「ダルバート」は安心しておすすめできます。デウラリバッティは野菜のおかず(右下)と豆スープ(中央)がとてもおいしい。
後日注:「ナタ」は「サーランギー」という店名になりました。「ダルバート」は閉店。同名の店が同じ場所に開店しました。