50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2017-01-19 ブレイクスルー、ではないけれど

しばらく前に逐次通訳ばかり数日間担当しました。専門的な内容でやりとりの数も多く、かなりの試練でした。

発言を丸ごとさっととらえることができれば最小限のノートで間髪を入れずに落ち着いて自然な訳出ができます。うまくいかないときはすべてが逆となります。つまりすっきりとしない状態でなんとかノートを残すと一瞬の準備時間が必要になるし、「何かを探しているかのような」訳が出てきてしまいます。

幸い内容にはなじみがあったので早い反応で良い訳を出すことができたと思います。特に問いと答えとをしっかり組み合わせることができ、自分なりにささやかな満足を得ることができました。ブレイクスルーといった椿事ではないながらも、
「今までよりは少しはましだったかもしれない」
と思えるのはうれしいものです。

話者のことばがすっと通訳者の頭に入ってくるとすべてがうまくいきます。問題は毎回異なる現場でこの状態をどのようにして実現するかですね。


もう一つ。最近「要人対談スタイル」も体験しました。これはちょっと緊張しますね。対談の相手方はその相手方が自ら手配した通訳者を使います。相手方通訳に大きな間違いがあれば通訳者はその場で、あるいは事後に指摘・訂正をします。びびり…。報道が入る場合も多いので自然な姿勢でいることも大切かと。靴は上品で手入れの行き届いたものを履きましょう。靴下にも注意。

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