Kelly McGonigal の The Willpower Instinct: How Self-Control Works, Why It Matters, and What You Can Do to Get More of It (2012) を遅ればせながら読んでいます。
インタースクールを教えてくれた友人がこの本と Kindle とを紹介してくれました。
どの章もおもしろいのですが、特に興味を引いた考えが2つありました。
【1】
学習計画を立てて実行しようとするときなど、何か他の誘惑(猫の動画を見る等)に負けてしまうときがあります。そうすると人間は
「ああ、自分ってダメなんだ」
と思う精神的な痛手から逃れるために誘惑をさらに受け入れてしまうというのです(この場合だともっと猫の動画を見てしまう)。
つまり、自分を責めると前に進むよりは逃げ込む行動につながってしまう。
【2】
たとえば通訳者になる目標を掲げ、そのために地道な学習をする必要があるとします。将来の目標の重要さを現在考えるときに「割引率」が適用されてしまうと著者は書いています。将来の価値が 100 あったとしても、その重要さを今考えると 50 になってしまう場合もある(経済学・経営学の現在価値の考えに似ています)。人間は将来よりは今のことが大切だという反応を身に付けつつ進化してきたらしい(確かに通訳者の夢より今日の空腹をなんとかしなければ、というときもあるでしょう)。
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今しなければいけないことからなぜ逃れてしまうのか。反省や決意だけではなぜうまくいかないかがわかった気がします。自分の弱さの正体が少しわかっただけでも対処の方法が考えられそうです。